2014年 9月14日~15日 那須岳
茶臼岳(1898m)、朝日岳(1896m)、三本槍岳(1917m)
三連休を利用して那須三山を縦走してきた。三山とは茶臼岳、朝日岳、三本槍岳で、これらを総称して那須岳と呼ぶ。縦走後、三斗小屋温泉に一泊し露天風呂を楽しんできた。筆者は2012年にもここを訪問したが(前回レポート)、三本槍岳は未踏だったため再度の山行である。
【9月14日】
大阪からこの山域を訪れるにはスケジュール立案が難しい。那須塩原駅近くで前泊し、翌朝の始発バスで那須ロープウェイ山麓駅へ向う。「那須高原フリーパス券」を購入(¥2600。片道¥1400なのでお得である)。バスは黒磯駅で満員となり、その後も乗客が増えてギュウギュウだ。終点に近づくと道路が渋滞して進まない。観光客のクルマが駐車場に入れず停滞しているのである。仕方なく山麓駅手前で降車し山道を数分歩きロープウェイ駅へ。すぐに切符(片道¥670)を購入し940発のロープウェイに飛び乗る。5分ほどで山頂駅(標高1684m)に到着、10時に登山開始。
スニーカー履きの観光客も多く、その間をすり抜けて砂礫や岩の道を登って行く。振り返ると下界がよく見える。一汗流して1032茶臼岳着、小休憩とする。天気良く、360度の好展望だ。茶臼岳はカルデラ火山で、陥没した火口の縁を「お鉢周り」と称して登山道が整備されている。これをほぼ一周してから峰の茶屋へ下り、小休憩。おにぎり一個補給してから朝日岳へ向う。このルートは露岩が連続し鎖場もあるが、慎重に歩けば問題ない。1203朝日岳山頂に到着、少し下った場所で昼食休憩とした(おにぎり二個補給)。
朝日の肩から北へ歩き、熊見曽根という分岐に1241着。前回の山行では三斗小屋温泉から隠居倉を経由してここに出たのだが、今回はさらに北に向かう。「1900m峰」を過ぎると急な下りで高層湿原の清水平に出る。真新しい木道が設置されとても歩きやすいが、これはすぐに終わって上り坂となる。緩やかなアップダウンの後、高度をグンと上げて1343三本槍岳に到着。急にガスが湧き出て眺望はゼロになってしまった。
小雨が落ちてきたので先を急ぐ。10分ほど北へ向かい、大峠への分岐に至る。ここでレインウェアを着込む。雨もさることながら足下の草木が濡れているのでパンツがびしょ濡れだ。大峠へ下る尾根は栃木県と福島県の県境だ。登山道は非常に深くえぐられている所があり、滑る泥道も歩きにくい。1505大峠着、一服休憩とする。峠にはお地蔵様が数体鎮座している。大峠を左折して三斗小屋を目指して下って行く。このルートは谷筋を下ってから三斗小屋まで登り返すのだが、途中三本の沢を徒渉しなければならない。沢はいずれも増水しており徒渉ポイントに自由度が無く慎重に渡る。10m程のほぼ垂直なロープ場などもあり気が抜けない。最後の沢を渡ると急な登り坂が待っている。40分ほど我慢して、ようやく1654三斗小屋温泉煙草屋着。この宿は夕食が1630からなので既に遅刻である。従業員に急かされて宿帳を記入し、料金を支払い(¥9000)、泥だらけの登山靴を洗ってから部屋に案内してもらい、着替えてから1716夕食にありついた(忙しい)。
食事内容は前回二年前と100%同じで、そのワンパターンぶりに驚愕する。缶ビール(¥500)を二本飲んで、あわてて食事を済ます。その後、内風呂に入ってから露天風呂にドボンする。温度はやや低めで眺望が素晴らしく最高の気分だ。風呂は石けんなど使用できないので湯で洗うだけである。部屋は個室だが隣室とは襖一枚で物音は筒抜け、早めに就寝するも隣の話し声が耳につく。しかしほどなくバクスイ……
【9月15日】
5時起床、前日の濡れた装備を整理し出発準備を整える。630太鼓の音に呼び出され朝食となる。夕食も朝食もおかずが少ないことは分かっていたので今回はフリカケを持参、大正解であった。ご飯二杯を腹に納めて708宿を後にする。
737延命水にて喉を湿らせ758避難小屋を通過。ここからザレ道、ガレ場を登って813峰の茶屋着。湯を沸かしてインスタントコーヒーで一服する。稜線上には既に多くの登山者が歩いている。837下山にかかるが、登ってくる登山者とすれ違うためしばしば立ち止まらなければならない。順調に下って909登山口着、そのまま石畳の遊歩道を歩き920ロープウェイ山麓駅に到着した。付近は昨日と同様、駐車場に入り切れないクルマでごった返している。
935発のバスで那須塩原駅に戻り、タクシーで日帰り温泉「ピラミッド温泉」まで行く。ここは自前で掘り当てた温泉だそうで、完全掛け流し、アルカリ性の湯である。しかし施設が古く掃除も行き届いていない感じで客は少ない。二日分の汗をサッパリと流し、駅まで戻ってから駅前の蕎麦屋で昼食とした。
1402発の東北新幹線で東京まで戻り、横浜の自宅に1620帰着。
本コースのおすすめ度=4
バス利用では出発時間が遅くなるため、那須三山縦走は時間的にやや厳しい。そのため三斗小屋への到着が遅れてしまった。ルートは火山帯の荒れた稜線、好展望、湿原歩き、ブナやダケカンバの樹林帯など変化に富み面白い。何より三斗小屋温泉の風呂は素晴らしいの一言である。