M2012 No.13 那須岳

低山徘徊の記録です。

M2012 updated 2012-12-23

2012年7月21日〜22日 那須岳
ちゃうすだけ 1915m

筆者は会社の同僚、社外の友人とB級グルメの会と称し各地のB級メニューを食べ歩いている。今回は登山の後にお腹を空かせて宇都宮餃子を食すという企画を立案。山行は那須岳周辺を歩くこととし、以前から行きたかった三斗小屋温泉での宿泊を組み込んだ。B級餃子よりも登山に重点をおいた小旅行となったが、三斗小屋の露天風呂、那須岳からの眺望、噂に違わずB級美味の餃子を堪能してきた。

那須岳とは茶臼岳、朝日岳、三本槍岳などの総称であり、「那須岳」と言う名の山は存在しない。

【7月21日】
 前日から関東地方は異様な低温となり、出発時の那須岳ロープウェイ山麓駅はガスの中、気温18℃。駐車場に参集したメンバー六名は発車間際のロープウェイに飛び乗り数分間の空中移動。高度が上がるにつれ雲から抜け出したようで、山頂駅に着いた時はかんかん照りの快晴である。朝日岳がスカッと見えている。
 記念撮影をして10時出発。茶臼岳まではわずかな距離だが、登山道は急坂の上に石ころや砂礫が多く歩きにくい。不安定な足下に注意しながら行くと、岩の多い道に変わる。ここを登り切ると緩やかな山頂地帯に入るが、メンバーの登山靴が壊れてしまった! 靴底が剥がれてしまい、パクパクしている。ともかく山頂まで我慢して歩け、と気合いを入れるが、すぐにもう片方の靴も同様に壊れ、一方は完全にソールが剥離してしまった。仕方ないので筆者が常備している替えの靴ひもで縛りソールを仮固定。何とか歩ける状態とし山頂へ(1054)。ここで昼食休憩。Tさんが冷えた缶ビールを担ぎ上げてくれたので、まずは乾杯!昼食はソーメンを茹で、参鶏湯スープで食べる趣向。ゆっくりコーヒーを飲み1210出発、茶臼岳噴火口を一周し、峰の茶屋避難小屋目指して下る。この場所は今回ルートの要となるポイントで、明日もここまで戻ってくる予定である。
 三斗小屋温泉までは樹林帯の中を緩やかに下る道で気持ちよい。途中、湧き水(延命水)を飲んだりしながら快適に歩き1415到着、「煙草屋旅館」にチェックイン。すぐに露天風呂へ飛び込む。やや濁った湯でかすかな硫黄臭がする。湯温はやや低めで長湯にはピッタリである。夕食は1630より開始で、食事部屋に全宿泊者が集合して食べる。今日は30名が滞在していた。缶ビールは500円なのだが、賞味期限切れ品が200円で販売されていたので迷わず購入(半年オーバー)。
夕食後に部屋でミニ宴会を行い、再び露天風呂へ。文字通り満天の星空を見ながらの贅沢を楽しんだ。なお、幸いなことに煙草屋ではスニーカーを販売していた。しかも壊れた登山靴は捨ててくれるというので、不幸なYさんはいっぺんに幸せ者となった。めでたしめでたし。。

【7月22日】
 翌朝、筆者はいつも通り4時起床し三たび露天風呂へ。一人で景色を楽しんでいるとおばちゃん二名が入って来たので(露天風呂は基本的に混浴である)、早々に退散。朝食は630からで、太鼓の音で準備の整ったことを知らせてくれる。732出発、小屋の裏を登ると温泉神社があったので安全登山を祈念する。しばらく登ると温泉の源泉地があり、水蒸気がモクモク立ち上っている。ここから急坂の連続となりどんどん高度を上げて行く。クサリの張られた箇所を頑張って登ると隠居倉の肩に出る。一休みし、少し登ると隠居倉(1819m、842着)。ここからの尾根道は小さなアップダウンの繰り返し、天気がよければ眺望が良さそうだが、ガスの中を歩かされる。933「朝日の肩」着。朝日岳への登りにかかると急速にガスが晴れ、頂上に着いた時には(943)茶臼岳、峰の茶屋、など最高の景色を拝むことができた。小休憩し下りにかかるが、岩場が多く随所にクサリが張られている。慎重に歩き1045峰の茶屋に到着。高校生と見られる一団でごった返している。他にも登山者多数でこの山の人気の高さが窺える。茶臼岳の山体を巻くように下り1126無事下山。峠の茶屋にてかき氷を食べたりお土産を買ったりする。
 駐車場に戻り、鹿の湯に立ち寄る。2m四方ほどの湯桶が8つあり、それぞれ湯温が異なっている。41℃から一度刻みで奥の湯船の温度が高くなっており最高48℃である。筆者は42℃の湯におとなしく入る。管理人のおっちゃんが頻繁にデジタル温度計で湯温をチェックしている。汗を流した後は、今回のそもそもの目的であった餃子だ。

 東北道を矢板ICで降り、しばらく走って正嗣(まさし)氏家店に行くが店は満員で行列を作っている。当方は腹ペコだが待つのも嫌なので、冷凍餃子をお土産に購入して次を目指す。今度は宇都宮「みんみん」本店である。幸い、行列は数人だったのですぐに入店。ビールで乾杯し焼餃子、揚餃子、水餃子を注文。空腹であっという間に完食してしまう。感想は…「熱かった」という何とも情けない記憶しかない。さらにライスと焼餃子を追加注文、「餃子浪漫」という名の地ビールも飲み満腹となる。

後日、正嗣の冷凍餃子を食したがやはり熱かった……

今日のご馳走

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左(茶臼岳山頂にて);初日昼食。ソーメンを茹でてFD参鶏湯スープに投入。他にFD酸辛湯スープでも試したがどちらも美味しい。おにぎりも持参。
中央(煙草屋旅館にて);夕食と朝食。ごはんはお代わり自由。賞味期限切れビールとともに。。
右(宇都宮みんみん);ただただ熱かった餃子とビール三昧
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登山ルート

栃木県那須塩原市
歩行距離=10.46Km
累積標高差=
+947m、-1252m
Map12-13.jpgUpDown12-13.jpg

アプローチ

東北自動車道那須ICから県道17号線をひたすら北上。山道をどんどん上がると那須岳ロープウェイ山麓駅に到着。

駐車場とトイレ情報

ロープウェイ山麓駅、その先に無料駐車場あり。新緑及び紅葉の時期にはかなり混雑するらしい。トイレはロープウェイ駅のみにある。

お薦め度=5

本コースはロープウェイを下車してウォーミングアップなしで歩き始めるので、茶臼岳への登りはかなりキツイ。茶臼岳から三斗小屋温泉までは緩やかに下る道で、お散歩コースである。次いで隠居倉まで一気に登り返すと快適な尾根道となる。天気が良ければ眺望が良さそうだ。最後の朝日岳から峰の茶屋への下りは鎖場などもあり注意が必要。三斗小屋に一泊してゆっくりと歩くのがベストだろう。
今回、筆者らは「煙草屋」に泊まったが、三斗小屋にはもう一軒「大黒屋」という旅館がある。露天風呂はないものの部屋食サービスなどひと味違った趣があるらしい。