前夜宿泊した香住の宿はとても居心地良く、快眠できた。部屋にて昨日買い込んだおにぎり、味噌汁で朝食とし620出発。30分ほどで三川権現駐車場に到着。広大な駐車場の隅っこにクルマを止め700出発する。社のトイレを借用し林道を奥へ進むとすぐに砂防堰堤が現れ、ここは右側から越える。石段が作られているが、踏面が小石や落ち葉で覆い尽くされており登るのが厄介だ。この様子では登山者はあまり多くなさそうで、先が思いやられる。堰堤を越えると幅2mほどの沢を徒渉する。しかし足場となる岩などが無く、水面下の浅い石などに狙いを定めてエイヤッと渡る。すぐにシャクナゲコースと奥の院コースの分岐があり、分かりやすい看板が設置されている。

　今回は登りに奥の院コース、下りにシャクナゲコースを使った。どちらも急坂だとの事前情報であったが、奥の院コースの方がキビシイらしい。看板に従って奥の院コースに入るが、すぐに尾根の末端に取り付く。ここからは非常（非情）な急坂をどんどん登らされる。木の根や岩などに掴まらないとずり落ちそうだ。途中からシャクナゲの群落が続くが、通る人が少ないためか、枝は伸び放題で登山道にも覆い被さっている。これらを潜ったり払ったりしながら行くのだが、急坂ではシャクナゲの枝も格好の手掛かりではある。

　ルートにはほとんど平坦地が無く、激登りが連続する。しかしグイグイ高度を稼ぐ感覚は気持ち良い。「山頂までXXXm」という看板（100m毎）に励まされ、ブナの美林に慰められ912山頂三角点に到着。三川権現から三川山に至るにはキビシイ山道しかないのだが、実は反対側（南側）には山頂まで道路が通じている。それと言うのも山頂には電波塔が林立しており、その資材運搬用の林道なのである。NTTやNHK、関電などの通信アンテナ群が頂上部を占拠している様は興醒めだ。

　それでも北方には日本海を望むことができる。景色を眺めながら小休憩をとり、シャクナゲコースへ向う。こちらも指導標はしっかりしており分かりやすい。鹿などによる食害防止のため、ケースに入った苗木の列に沿って下って行く。こちらのコースも急坂を下るが、要所には固定ロープが設置されており助かる（奥の院コースよりもメジャーな登山路らしい）。慎重に下り、1054駐車場に帰着。石造りのテーブルベンチで昼食を摂り、1430高槻に帰宅した。