二週前に続き大峰山脈へ遠征した。八経ヶ岳の南に位置する釈迦ガ岳は標高1800mだが、登山口駐車場の標高はすでに1300mでありお手軽なルートだ。しかしその代わり、登山口までのアプローチはうんざりするほど長い林道を走らなければならない。
高槻を早朝3時30分に出発、近畿道から南阪奈道路を走り、五條から国道168号線を南下する。この道は十津川村に入ると国道とは思えないほど道幅の狭い箇所が多くなり、また所々で土砂崩れ災害復旧工事が行われている。「谷瀬の吊り橋」手前で林道に分け入るが、これが長い。途中「旭貯水池」という巨大なダム湖があり、その説明看板を見て唖然とする。何とこのダムは関西電力の揚水発電設備なのであった(奥吉野発電所、ここは下部貯水池)。ダム湖に沈んだ村の記念碑が立っているが、ムダで傲慢な設備によって故郷を追われた人々を思うと悄然とする。
ガードレールもない林道を慎重に走り、ようやく登山口駐車場に到着(805)。すでに十台ほどのクルマがあり、出発準備中の登山者も多い。併設されたトイレを使い818出発。登山口は峠に位置するので、そのまま尾根に入る。しばらく登ると、平坦な道となりコバイケイソウが最後の花を咲かせている。ルートは明瞭で登りと平坦道の繰り返しだ。尾根上は風が強いのか、倒木が多い。登山道はそれらを避けながら、しかし尾根に忠実に続く。
「古田の森」という小ピークを左に見てしばらく登ると、千丈平の水場があり、冷たい水で喉を潤す。ここからは最後の登りだ。頂上直下で大峯奥駈道(深仙宿へのルート)を分け、1020登頂。頂上にはブロンズ製の釈迦如来立像が立っている。これは大正時代の強力が三分割した部品を背負い上げたというものである。あいにくの天候で山頂はガスの中、周囲は全く見えず白の世界である。
狭い山頂部には何故か小バエが群れており、体中にまとわりつく。気持ち悪いのですぐに下山にかかる。途中、ガサガサと音がするので辺りを見回すと、30m程先で鹿が草を食べている。こちらに気付いたようだが逃げる様子もない。デジカメの望遠側で写真撮影するも悠々と立派な角を上下させている。更に下って、標高1550mほどの岩頭でラーメン昼食としてから下山した。帰途、十津川村の大塔温泉「夢之湯」(600円)で汗を流してから帰宅した。
本コースのお奨め度 4
本コースは駐車場から頂上までの標高差が500mほどで、危険箇所もなく歩きやすい。木陰が少ないため日射しの強い季節には帽子必携である。出会った登山者は30名ほどか(未カウント)。
2016年に登った山です。スケールの[+/-]、またはマウスで表示地域を移動させることができます。