屋久島遠征の二日目、山頂に高さ40mの天柱石と呼ばれる奇岩が屹立していることで有名な太忠岳に登った。そのてっぺんに登ることはできないが、巨岩の足下にあるテラス状の岩からの展望を求めて登ってきた。
宿を5時出発、弁当屋に寄り予約しておいた登山弁当(朝昼二食)を受け取りヤクスギランドに向かう。530到着、あたりは薄明るくなっている。車中にて朝食用の弁当を食べ、600出発。ヤクスギランドの環境協力金300円をポストに投入し、自然休養林内の遊歩道に踏み込む。遊歩道は30分、50分、80分、150分のコースが設定されているが、太忠岳への登山ルートは150分コースの途中から分岐する。整備された遊歩道を進むが、次第に通常の山道となる。遊歩道のポイント(15)に645着、一服して太忠岳歩道に踏み込む。
このルートに入るとすぐに登山者カウンターがある。登山道はヤクスギ他の巨木が繁茂するジャングルを行く。所々に立つ説明看板を読んだり、辺りを見渡したりするが、足下の注意も必要で視線移動が忙しい。登山道は木の根道、階段、ハシゴ、岩ゴロ道で気が抜けない。支尾根を二つ越えて登りつくと天文の森に入る。巨木の間をすり抜けたり、岩の間を攀じ登ったり変化の多いルートだが、要所にはピンクテープがぶら下がっているので迷うことはない。
標高1200mを過ぎると上り坂が険しくなり、グングン高度を上げる。「太忠岳まで1.0Km」の道標の後、ルートは大きく西方に曲がり、山頂部稜線に出ると一転、東方に向かう。一旦下って登り返すと山頂に近づき、ようやく天柱石が見えてきた。まずは天柱石の基部まで慎重に下る。見上げる天柱石は大き過ぎて写真に収めることもできないほどである。さて、巨岩の下に横たわるプラットホーム状の岩に上がるためには5m程の垂直に近い壁をロープ頼りに登らねばならない。足場を見極めて慎重に登り、天柱石の下に833到着。見晴らしが良いはずなのだが、残念なことにガスに包まれて何も見えない。仕方なくロープを伝って基部まで降りて小休憩とした。
チョコレートを齧っていると、前の林でガサゴソと音がする。見ると猿がこちらを凝視している…筆者も睨み返すが勝負しても意味ないことに気づき目を外らす。しかし、猿の方は筆者を気にしている様子で気味が悪いので、早々に下山することにした。
ヤクスギランドNo15ポイントには1020到着、わずか1時間25分で降りてきた。湿度が高かったせいか、汗だくで全身ずぶ濡れ状態だ。分岐点にある東屋では一人の青年が休憩しており、これから太忠岳に登ると言う。しばらく話をすると一昨日は本富(モッチョム)岳を登ったそうで、かなりハードだったとのこと。筆者も今回は本富岳か太忠岳か迷ったのだが、皆考えることは同じである。ここで昼食とし1043出発、ヤクスギランドの150分コースを進み、1133駐車場に帰着した。
本コースのお奨め度 3
巨大な天柱石は一見の価値がある。しかし、山頂直下までの激登りはかなりキツイ。危険度は小さいが、ロープ場も数箇所あるので慎重な行動が必要。ヤクスギランド遊歩道も150分コース(筆者は100分で一周)は登山と変わらず、アップダウンも連続するのでバカにできない。出会った登山者は一名。
2016年に登った山です。スケールの[+/-]、またはマウスで表示地域を移動させることができます。