久しぶりに土曜日が晴れ予報となったので、京都府南丹市と福井県おおい町の境にある頭巾山に挑戦してきた。その山名は山伏の頭巾に似ていることから名付けられたそうな。しかし山伏のファッションは、額の中央に丸い飾りを付けた鉢巻きをしているというイメージではあるが…
福居集落奥に頭巾山のハイキングルートを記した看板があり、その裏の空き地に駐車し738出発。舗装路を少し歩くと集会所のような建物の脇が登山口である。明瞭な道標があるのに、踏み跡が突然消えてなくなる。初っ端からの道迷いだ。肝心な部分に標識がなく右往左往したあげく、ようやく登山路を見つけることができた。それは集会所裏の沢を左岸に渡るものだ。集会所の裏山には他の登山者による路迷いの結果と思われる細いトレースがたくさん残っており、筆者もそれに引き込まれてしまったという次第である。
その先も全ルートを通じて道標類はかなり少ない。色褪せた古いテープや青色のPPロープを頼りに進むこととなる。従って精密な地図の携行が必須である。基本的には尾根を踏み外さないように歩けば大きな問題はない(初心者には厳しいかも知れない)のだが、幅広い尾根や支稜の分岐点などでは注意を要する。
横尾尾根への取り付きはつづら折れの登路が連続する。しかし斜度が一定なので歩きやすい。尾根に登り着くとフラット部分と上り部分が断続的に現れ、次第に高度を上げて行く。910横尾峠に到着、お地蔵様二体が鎮座している。ここからは若丹国境尾根だ。つまり北側は日本海に続く若狭湾を望むことができる。横尾峠から西進するとすぐに関電の大飯幹線鉄塔下をくぐる。これは大飯原発からの電気を送る巨大鉄塔である。原発は運転していないはずであるが、高圧電線からはジリジリと不気味な音が聞こえる…何故だ?
若丹国境尾根はブナを主体とした自然林に囲まれ、実に美しく気持ち良い。ブナは幹が細くか弱い風情であるが、強風と冬の積雪のためかと思われる。快適な尾根道を一時間ほど進むと頭巾山への最後の登り〜心臓破りの坂〜となる。急坂を我慢して登ること15分ほどで頂上に到着。山頂は狭く、露岩と祠があるのみである。眺望は絶景で、360度の山並みが見渡せる。特に北方は双耳峰の青葉山(2015-No.19で登った)、その先には若狭湾が見えている。頂上部は日陰も無いので心臓破りの坂を下り、鞍部にて昼食休憩とした。
来た道を戻り、横尾峠から少し下った分岐から林道コースへ入る。このルートは歩く人が少ないようで踏み跡が薄く非常に分かりにくい。しかも急傾斜の下りが続き息が抜けない。三回ほどの徒渉を繰り返しどんどん下ると、ようやく傾斜が緩くなり林道末端に降り立つ。林道歩きは意外と短く、20分ほどで最初の登山口である村の集会所に舞い戻った。
本コースのお奨め度5
頂上からの景観は若狭湾まで見渡せて素晴らしい。ルートは人の少ないコースで、無音の世界だ。ゴミ一つ落ちておらず気持ち良い。周囲は人の手が入らない雑木林であり、自然に溶け込んだような気分になれる。出会った登山者は二組5名。
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