2014年 10月18日 日本コバ
にほんこば(934m)
日本コバは鈴鹿山系から西側に飛び出した位置にあるため、アクセスは近江平野からとなる。さして標高は高くないのだがその山名は何となく魅力的で、それなりに人気の山らしい。
山名の由来はネットに溢れているが、それらは他情報の引き写しと思われ信憑性には疑問もある。曰く「コバとは木場のことで、二回木場で休めば山頂に至る。即ち二本木場 転じて日本コバ」。
高槻を5時に出発、この週末は絶好の行楽日和との予報で渋滞を心配したが、案ずる事も無く八日市ICで名神高速を降りる。国道421号線を東進、しばらく行くと臨済宗大本山の永源寺を経て永源寺ダムだ。ここから日本コバが遠望できるのだが頂上部は平らな台地状となっているため、どこが山頂なのか定かでない。ダム湖を半周して県道34号線へ左折する。登山口は県道に入ってすぐ左のところだが、これを見過ごして行き過ぎてしまった。しばらく走ってから不審に思い逆戻り。駐車地は道路脇の空地である。数台は駐車可能で、もちろん筆者が一番乗りだ。支度をして658出発。
登山口には「日本コバ→」という小さな看板がある。少し歩くと「1/18」という200m毎標識が現れ山頂まで案内してくれる。ルートは藤川谷を遡行するもので、何度も徒渉を強いられる。標識はうるさいほど設置されているのだが、登山道そのものは整備不良箇所が多い。また肝心な所で踏み跡が薄く、何度か行きつ戻りつして赤テープ頼りにルート確認を迫られた。
増水気味の沢を注意して渡るが、山ヒルにも気を付けなければならない。この谷はヒルの宝庫なのだ。しかしさすがに10月後半ともなれば蛭君達も消滅した模様で被害なし。5〜6回の徒渉をこなすと山腹の登りとなって高度を上げ、岩場の下に出る。本ルート唯一のロープ場である。二段のロープに掴まって30m程登ると「岩屋」なる場所を過ぎ、ここから稜線までは僅かな距離である。
稜線の分岐を左にとり日本コバを目指す。山頂近くの地形は台地状で湿地帯となっている。不思議な地形を楽しみながら緩やかに下り、最後は登り返して917日本コバ山頂に立つ。見晴らしは部分的にしか利かない。快晴の下、無人の小広い山頂は気持ち良い。昼食には早いので931出発し先の分岐点まで戻る。途中、一人のオッサンに出会う。
分岐を直進して政所方面に行くと、足元に白い煙が立ち上りビックリ。良く見ると地面にはえた植物の花粉のようで、ストックで払うと白い粉が舞い上がって奇妙な光景だ。台地状ピークの一画を占める衣掛山にて昼食休憩とした。
衣掛山からは稜線を忠実に下る。杉の巨木が痩せ尾根を鷲掴みするようにドンと聳えている。その姿は誠に立派でしばし見とれてしまう。最後は激下りで政所集落に1208下山した。下山口近くの「自然記念物」なる古い茶樹を見物してから舗装道路を20分ほど歩いて1228駐車地に帰着。狭い空地は計5台のクルマで満車だ。山中ではオッサン一人にしか出会わなかったが、筆者の出発が早過ぎたか。
本コースのおすすめ度=4
標高は高くないが、意外と登りでがある。コースは変化に富み飽きない点も良。時々踏み跡が薄い箇所があるので注意が必要である。唯一の問題はヒルの心配がある点で、秋〜初春がお薦めか。出会った登山者数=一名。