2014年 9月28日  五台山
ごだいさん(655m)

低山で見晴らしの良い山として兵庫県丹波市にある五台山を選んだ。気軽な散歩のつもりで出掛けたのだが、登山口の岩瀧寺は斜面が崩壊し川は岩石で埋もれている。その姿は大雨災害の結末を表していたが、登山道もルートが寸断され思いがけず難度の高い山行となってしまった。迂闊にもこの地区最大の被災地に乗り込んでしまったのだった。

 「平成26年8月豪雨」と命名された災害のことなど全く知らず高槻を5時に出発、舞鶴自動車道を春日で下りて氷上町へ向う。ほどなく岩瀧寺手前の登山者用駐車場にクルマを入れ637歩き始める。目の前の川では護岸工事を行っているが気にも止めず道路を進むと岩瀧寺の異様な光景が現れた。寺は川岸から一段高い場所に建てられているが、敷地までの斜面がフレコンバッグで土留めされている。崩れた斜面を補強している様子である。前を流れる川には巨岩や流木が折り重なり、寺へ続く道路は破壊されている。土石流が発生したようだ。これらを横目で見やり荒れた道を進むと長い石段があるが、下半分が完全に崩落し手すりがぶら下がっている様子に呆然。しかたなく山側の斜面を辿り、階段上部へ回り込んだ。この上には洞窟の中に不動明王が祀られており、参拝する。
 ここから五台山への登山路は急な岩場で始まる。ルートには大小の岩が散乱しており足下が非常に不安定だ。しかし今回はダブルストックを用意してきたので少しは歩きやすい。最初の急坂をこなすと五台山へ直接登る道と美和峠への道との分岐点(A)で、美和峠方面に進む。しばらくは山腹に沿った快適な登山道であるが、突然、山崩れ現場に出くわし登山道が断たれている。崩落幅は50mほどもあろうか。しかたなく斜面を適当に登り、尾根を目指すと偶然、踏み跡を発見。これを進むと本来のルートに合流した。しかしすぐに第三の崩落地が待ち構えていた。今回は迂回せず、崩落地へ降りて積み重なった岩や倒木を乗り越え、登山道に復帰した。美和峠には745着。冷や汗でビッショリであるが、峠を抜ける風が心地よい。見晴らしも良く、低い雲海に浮かぶ山々が見渡せる。
 「分水界の径」と表示された尾根道を快適に歩き、急坂を登り詰めて鷹取山(567m)に809到着。360度の眺望が素晴らしい。鷹取山からの下りは「激下り」で有名だ。所々に張られたロープに助けられ、鞍部まで標高差100mほどを一気に下る。その後のキツイ登り返しを我慢して小野寺山(645m)には904到着。ここも全周の眺望が気持ち良い。小休憩してから五台山を目指す。緩い鞍部で岩瀧寺への道を分け、927五台山着。昼食休憩とした。山頂からは北東方面の展望が開け、デッキが設けられている。少し下った場所には建築現場などで見かけるような簡易トイレがある。
 1018出発し岩瀧寺へ直接降りる道に入る。高度を下げ、沢沿いの道になると水害の影響が荒々しい。慎重にルートを見極めて徒渉や迂回を繰り返す。しかし二本の沢の合流地点に至り、完全にルートを見失った。この場所は両方の沢から流れてきたと思われる大量の土砂や倒木で埋まっており、登山道も埋もれてしまったと思われる。沢の下流は20mの崖下から流れている。恐らくここは滝の上部で、そこに土砂が堆積している様子なのだ。20mの崖を下ることもできず、思案してGPS軌跡を確認すると、最初の分岐点(A)のすぐ近くにいることが判明した。支稜を一本乗り越えれば美和峠への道に出るはずなので、対岸の山腹を適当に登り始める。すると、再々の偶然により廃登山道に出くわした。これを進み、支稜を乗り越え急坂を下ると、予想通り美和峠への道に合流することができたのだった。改めて地図を照合すると、先ほどの崖は不二の滝だったと思われる。この後は朝歩いた道を引き返し、1158駐車場に安着した。

分水界
北側は由良川を経て日本海へ、南側は加古川から太平洋へと注ぐ。

本コースのおすすめ度=0

現在の状況では全くお奨めできない。この山が豪雨災害を受けていたとは露知らず迂闊であった。登山道が再整備されるまでには相当な期間を要すると思われる。各ピーク、稜線歩きは気持ち良く展望も良好なので、まことに残念である。出会った登山者数はもちろんゼロ。


五台山は、まさに被害地区の中心に位置する。
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この地区の豪雨災害について

登山ルート

2014-No.26
兵庫県丹波市
総歩行距離=6.90Km
累積標高差=+763m
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駐車場とトイレ情報

岩瀧寺手前に登山者用駐車場がある。30台ほど駐車可(無料)。トイレは寺にあるが現在は使用禁止。五台山頂に簡易トイレあり。

今日のご馳走

会社の人が沖縄へ旅行し、そこで見かけたというカップラーメン「石垣そば」を頂戴した(エースコック製)。かやく、粉末スープ、液体スープ、スパイスの小袋という構成である。お味は…麺は太めでモチモチした食感、食べ応えがある。スープは塩味でやや塩っぱい。旨味やコクは控えめでスパイスが独特の香りを呈する。「ヒバーチ」風スパイスと注記されているもので、そのアロマは何とも表現できないがエキゾチックな雰囲気ではある。刻みネギとゆで卵を追加投入して食した。
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