2014年 8月23日 犬鳴山
いぬなきさん(高城山649m、経塚権現山565m)
犬鳴山は、泉佐野の市街地のすぐ近くにあり犬鳴山温泉と七宝瀧寺(しっぽうりゅうじ)が有名である。しかし「犬鳴山」という名の山は存在せず、七宝瀧寺を囲む山々の総称である。それらの山は修験者の行場であり、役行者により大峰山よりも早く開山されたという。
天候を気にしながら高槻を出発する。近畿自動車道、阪和自動車道で南下して行くと次第に晴れ間が覗くようになり登山日和となってきた。関空に向う直前の上之郷ICで降り犬鳴山温泉に向う。20分ほどで到着、観光客用の有料駐車場がたくさんある。仕度をして950出発、犬鳴川の渓谷に沿って整備された遊歩道を行く。いくつかの滝や祠、「義犬の墓(左記参照)」を過ぎ1017七宝瀧寺本堂に到着。恐ろしげな表情をした不動明王が睨みつけている。この奥に行者の滝があり、一般の人でも滝行ができるらしい。滝の中程には鎖がぶら下がっているので、それで体を固定して滝に打たれるのだろう(なお、滝見物には50円必要)。
一般にはここまでが観光ルートであるが、当方はここが出発点だ。七宝瀧寺を中心に犬鳴川右岸が表行場、左岸が裏行場となっている。まずは表行場を登ろうとすると「修験者以外の入山禁止」の看板があり、一瞬たじろぐがそのまま進入。ガレ場を登って行くとすぐに10mほどの鎖場が現れる。高度感はあるが難易度は低く、ぐいぐい登る。その後もロープ場多数で高度を稼いで行く。気付くと「蟻の戸渡り」の石柱があった。知らない間に巻き道でパスしてしまったようだ。すぐに「西の覗き」があり、危険箇所はここまで。しかしその後の急坂が非常に厳しかった。かなりの傾斜を休み無く登らされる。このコースは歩く人が少ない模様で踏み跡は薄く、古いテープを頼りにルートファインディングしながら行く。偽ピークに幾度も騙され、ようやく平坦な尾根道に出てしばらく歩くと、初めての道標に出会った。高城山の山頂は展望が全くない。ここまででバテバテ状態だったため、ゼリー飲料などを補給して大休止。下山は一般ルートを下ったが、こちらは非常に歩きやすくあっという間に七宝瀧寺に戻った。
さて、今度は裏行場である。不動明王像の右奥から背後の山に取り付く(1235)。こちらも大変な急坂の連続だ。再びの大汗、心肺機能はレッドゾーンだ。燈明ヶ岳まで登るつもりだったが明確な山名標が見当たらず、その先の経塚権現山まで登ってしまった。疲労困憊で地面に座り込み、そのまま昼食とした(1313)。
おいしいラーメンを啜って体力を取り戻してから下山にかかる。急坂を慎重に下り渓谷の道をゆっくり駐車場に戻った。この時間になると、渓谷では多数の観光客が水に入ったりBBQをしたりで賑わっていた。一般に犬鳴山とはこのように遊ぶ場所のようだ(どおりで周辺にゴミが散乱していた訳である)。
本コースのおすすめ度=2
標高は低いものの、行場はそれなりにキツく中級コースである。この山を登山として歩く人は少ない様子で、今回も出会った登山者はゼロだった。