2014年7月27日 石鎚山
いしづちさん 1982m
中四国地方への大遠征報告その2
石鎚山は西日本最高峰であり、石鎚神社のご神体でもある。石鎚山の登山ルートには鎖場が多く、それが人気の山でもあるが、鎖といっても所謂チェーンではなく太さ1cm、長さ30cm程の鉄棒の両端に直径8cmの輪が付けられ連結されたものである。また、頂上の弥山から先には天狗岳と呼ばれるピークがあり、そこへ至るにはナイフリッジ状の尾根を行かねばならない。しかし今回はどちらの難所もパスするハメとなってしまった。
7月25日に鳥取県の大山に登山した後、中国地方を縦断し「しまなみ海道」経由で四国に上陸、26日夜に石鎚山登山口である土小屋の白石ロッジに泊(ここは既に標高1500m弱である)。比較的大きな宿舎なのだが、この日の客は筆者を含めわずか3組4名のみ。食堂で夕食を摂りながら石鎚山のDVDを見せて、宿のオヤジが種々解説してくれた。名物の鎖場には巨大な鎖が設置されているが(鎖の各ピースは30〜50cmもあり超重い)、そのピースは石鎚神社の信者が奉納するものだという。価格は何と30万円で鎖に献納者の名前が刻まれる上、古い鎖を桐箱に納めて記念としてくれるのだという。
7月27日、また石鎚山のビデオを見ながら朝6時過ぎに朝食。注文しておいた昼食用の弁当をザックに詰め込み700出発する。天気は昨日とはうって変わって曇天で周囲の山々はガスの中だ。まずは石鎚神社に参って安全登山を祈願する。登山口は神社の裏手にあり、しばらくはなだらかな尾根道を快適に進む。ベンチの置かれた休憩場所には「ベンチ1」との標識があり、その後「ベンチ4」まで設置されている。次第に高度を上げて行くが、岩場を通過する箇所には木橋などが整備されている。ブナの原生林を過ぎ、830二の鎖下でロープウェイからのルート(表参道ルート)と合流する。この場所では愛媛県によるトイレ建設工事中だ(小型のパワーショベルが活躍している。何とヘリコプターで運んだということだ;宿のオヤジ情報、建設費用は1億円)。
さて、問題の二の鎖に取り付こうとするが雨が降り出して岩が濡れている。しかしエイヤッと20m程登ると、その先のホールドが悪くしばし立ち尽くしてしまった。斜度は70度というが垂直に近い感じがする。鎖には時々「トライアングル」と呼ばれる足掛かりがぶら下がっているのだが、肝心の場所に足場がない。雨も強くなってきたので、その上の登攀を諦めて慎重に下り、巻き道で鎖場をパスした。巻き道には鉄階段が連続して設置されておりグングン高度を上げる。ルートには三の鎖もあるのだが、現在は通行止め。しばらく木段を登って915山頂に立った。頂上は完全にガスの中で周囲は全く見えない。すぐ先に見えるはずの天狗岳も全く姿を現さないので、そちらへの登山も中止。風も強いのですぐに頂上山荘に入って弁当を食べた(ついでに缶ビールを購入)。
しばらく天気の様子を見ていたが、回復を望めそうにないため、10時過ぎに下山開始。この時間になると登ってくる人が後を絶たない。雨具無し、リュック無し、スニーカー履き等の軽装の者も多く首を傾げたくなるほどである。途中、信者の大団体に出くわした(何と138名の長大パーティ!)。幸い登山道は幅が広くすれ違い可能なので助かった。彼らは「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」と繰り返し唱えながら歩いている。その後も雨は強くなり、傘をさして歩き正午前に駐車場帰着。
本コースのおすすめ度=4
二の鎖は難易度が高い。足場が少ない箇所も多いため腕力で登る必要もある。鎖に足を掛けて登るという説もあるが通常の登山靴ではムリ。地下足袋での登攀が良いかもしれない。