2014年2月22日 繖山
きぬがさやま 433m
繖山(きぬがさやま)と読める人はまずいない。琵琶湖東南方に広がる近江平野に突如盛り上がる山塊の最高峰である。東海道本線と東海道新幹線はこの山塊を避けて南北に分かれた形で敷設されている。誠に不思議な地形で、どのように形成されたか興味深い。
JR東海道本線の能登川駅前に車をとめる。今回は安土駅まで歩き、電車で戻ってくる行程だ。837出発、10分ほどで猪子山公園に着く。いきなり山道となり木段を登って行く。整備された木段道には全行程にわたって悩まされることになる。20分登り、汗が出てきた頃に北向十一面観音に到着。夜景鑑賞スポットとして有名らしい。この裏側に猪子山頂がある(標高268m)。ここから尾根筋を行く。アップダウンを繰り返しながら次第に高度を稼ぐ。右手にはずっと近江平野、琵琶湖が望め気持ちよい。10時に雨宮龍神社着。鳥居の横から地獄越という峠まで急坂を下る。途中の看板に「ささユリ育てています。開花6月10日頃」とあり首を傾げる。6月10日とピンポイントで限定しているが、毎年全く同じ日に咲くとは思えないのだが…
地獄越からの登りは、更に展望が開け気持ち良い。展望が開ける理由は尾根道に樹木がなくなるからで、その分風が吹き付けて寒い。だんだんと雪が深くなり1049繖山着。ここまで上り道は徹頭徹尾、木段であった。一服してから観音正寺に下り、休憩所で昼食をとろうとすると寺男が「コンロ使用禁止」と言う。仕方ないのでおにぎりのみ補給し桑実寺へ下って行く。登山道には「ここは寺の私有地なので入山料が必要」との看板がある。30分ほどで境内に出るが、山門があり通過する際に「ピンポ〜ン」と鳴動し驚く。よく見ると光センサーが設置されており、登山者から入山料を取り逃すまいとの仕掛けである。仕方なく受付で拝観料(入山料)300円を支払うが釈然としない。境内に参拝客はゼロで、ごく稀に通過する登山者を待ち構えて坊主を受付に配置するくらいなら修行でもしていろ! と腹の中でつぶやく。
境内の休憩所で「すき焼きうどん」を作成、寺の石段をどんどん下り、のどかな田舎道を安土駅まで30分歩く。東海道本線はこの辺りでは一時間に2本しかなく、しばらく待って能登川駅まで戻った。
本コースのおすすめ度=4
低山にも関わらず、とても眺めの良いルートでお薦めである。入山料を払いたくない場合は桑実寺を回避するルートもある。