Mountaineering Report

低山徘徊の記録

Last updated 2019-03-08

  富士見台 (ふじみだい;1739m)
     <天国と地獄の巻>

今回は昨年秋に恵那山登山の際に利用した萬岳荘で雪遊びを楽しむ企画で出かけた。メンバーはいつもの高校同級生及び萬岳荘管理人のH氏である。しかし今年は異例の暖かさのため、雪はほとんど無く周辺散歩のみとなってしまったが、帰路に筆者がアイスバーンで転倒し、股関節脱臼の事故。思わぬ大惨事となってしまった。

<天国編>
 集合場所の「ヘブンスそのはら」へ筆者はクルマで、他メンバーは高速バスで12時に集結。やや遅れてガイド役でもあるH氏到着。当初計画では萬岳荘まで雪道を登る予定だったが、全く雪がないためスキー場のゴンドラとロープウェイを乗り継いでゲレンデ最上部まで登る。

 そこからは少し雪の残る山道や舗装道路を歩き1450萬岳荘着。早速小宴会をし、日没見物のために裏山を登る。天気良好で南アルプスの連山や木曽御嶽山が夕日に赤く染まるのを眺める。日が傾くと流石に寒くなり、小屋に戻る。夕食はH氏のアレンジで、飛騨コンロで焼く「鷄(けい)ちゃん」、野菜、五平餅、油揚そして具沢山の味噌汁などで美味。その傍で色々な酒を飲む。小屋はストーブのお陰で暖かく大いに盛り上がり就寝。外は満天の星空である。

 翌朝は540小屋を出て富士見台へ、今度は日の出見物だ。南アルプスからのご来光を拝み小屋に戻って朝食。H氏に用意してもらった味噌煮うどんへ温泉卵、餅を投入。昨夜の味噌汁も片付ける。ゆっくり支度し、9時過ぎに出発。帰路は所々に雪の残る舗装道路をお気軽に歩くのみ。途中、雪の緩斜面でソリ遊びなどして進む。

<地獄編>
 ところが10時過ぎに筆者が路面凍結部(ブラックアイスバーン)で転倒、右足が痛くて立ち上がれない。激しい疼痛で、どうやら股関節脱臼らしい。ゲレンデからは少々離れているがH氏がスキー場のレスキューを呼んでくれ(かなり待って)担架で運ばれる。ゲレンデに着くとボートに乗せられ斜面を降下、更にスノーモビルに牽引されてゴンドラ駅へ。ゴンドラ山麓駅で待機していた救急車で飯田の整形外科病院に搬送された。事故発生から病院まで3時間余り。

 病院に着くとすぐにレントゲン撮影し脱臼を確認、麻酔を注射され男性2〜3人が物々しく筆者を取り囲む。彼らが体を支え脚を持ち、一瞬で整復してくれた。1420完了。事故発生から整復まで3時間半(後で知ったがこの時間が重要であった)。

 この間に山仲間が筆者のクルマや荷物を病院まで回送してくれた。旅程を続けるメンバーに大感謝し別れる。筆者はそのまま入院となり8日間ベッドに固定される。病院はJR飯田線の天竜峡駅近くにあるが、夜はとても静かで快適。看護師さん達は年配の方ばかりだが親切である。突然会社を休むこととなり、慌しく関係者にメールや電話などで連絡を済ませるとやる事が全く無い。この状態が3日間続き、4日目になり松葉杖の練習。3/4になりようやく退院し高槻へ戻ることができた。

入院中の記録はこちら

登山ルート

2019-No.05(2019.02.23-24)
長野県下伊那郡阿智村
総歩行距離=9.8km
累積標高差=+740m

駐車場とトイレ情報

今回は公共交通機関を利用。ヘブンスそのはらにはスノーシュー散策用のゴンドラ、リフト利用券があり2800円で乗車できる。トイレは山小屋・スキー場以外には無い。

山頂ラーメン



左上;中央道恵那峡SAにて「鶏ちゃんラーメン」/右上と左下;萬岳荘での夕食(各種焼き物)/右下;萬岳荘での朝食(味噌煮込みうどん)

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