| 大杉谷〜日出ヶ山〜西大台 (ひでがだけ;1695m/百名山) |
高校の同窓生8名で三重県の大杉谷〜大台ケ原〜西大台を回る二泊三日の企画に参加した。筆者は20年以上前に二度、大台ケ原〜大杉谷を下ったことがあるが、今回の逆コースおよび西大台は初めてだ。
【初日、11/3】
筆者以外は東京からの参加で、紀勢線三瀬谷駅にて947集合した。ジャンボタクシーで登山口のある宮川第三発電所へ移動、昼食を摂り1130、歩き始める。
大杉谷の遡行は深い沢に沿って登る道だが、非常に険しい峡谷で、道のつけられない場所ではコの字型に岩をくり抜いた岩窟道となっている。川面からの高さは時には50mほどもあり恐ろしい。危険箇所には重い鎖、時には上下二段でダブル鎖が設置されている。
しばらく行くと我々を追い抜いて行った若者三人組の二人が慌てて戻ってくる。聞けば仲間の一人が転落したと言う。やがて30mほど下の河原から叫び声が聞こえ、どうやら足を痛めたようだが命に別状はない模様。その後ヘリが飛来(二週続けて山で遭難現場に出会った)。
宮川のほぼ左岸につけられた道は小さなアップダウンを繰り返し、吊り橋も多い。神経と体力を消耗し1605ようやく「桃の木山の家」に到着。酷い混雑で夕食は5部制。風呂のある有難い山小屋だが、入浴の順番を15分ほど待つ(もちろん石鹸シャンプーは禁止)。部屋は個室で4名×二室、個室と言っても4人分づつ区切られた天井の低いスペースである。夕食までの時間で軽く宴会。
【二日目、11/4】
起床すると外は雨。朝食は先着順で大行列、20分も待つ。食後のトイレも大行列で15分待つ(一年で最も混雑する時期らしい)。655出発、雨は弱まりレインウェア上着のみで歩き出す。道は前日とは異なり上り一方だ。大きな滝が次々に現れる。7ツ釜の滝展望台にて小休憩。足元は滑りやすいが、特に滑る岩には親切にも滑り止めが。それは岩の上にコンクリートの塊を点々と落としてあるもので、その上は靴のグリップが良く効く。そのため、「落とし物」コンクリを探して歩くハメに…さらに崩壊地では巨岩の折り重なる中を進むが、今にも崩れそうで怖い。
1020沢から離れ稜線目指した登りが始まる。なかなかキツイ登りだが、ゆっくりペースで着実に登る。未舗装の大台林道に出るとすぐに粟谷小屋で、屋外のベンチにて昼食(桃の木山の家のチマキ弁当)。その後、緩い坂を上がるとシャクナゲ坂、シャクナゲ平だ。シャクナゲの大群落が続き、花の時期を想像しながら歩く。次第に高度が上がり、長い擬木階段をこなすと1430日出ヶ岳山頂着。桃の木山の家から7時間を要した。三角点にて記念撮影してから大台ケ原駐車場に下り、宿舎(心・湯治館)にチェックイン。
16時よりすぐ近くのビジターセンターで翌日に西大台へ立入るためのセミナー(30分)を受講する。この地域の自然や歴史、注意点など事前知識の吸収ができて大変有意義な講義だ。宿に戻り入浴し18時より夕食、早めに就寝した。
【三日目、11/5】
典型的な和定食を7時に摂り、8時出発。まずはビジターセンターに寄り杖を借りる。今回は渓谷歩きがメインだったためストックを持参しなかったためだ。そして、いよいよ西大台に踏み込む。ここは「利用調整地区」と言うものに指定されており事前に利用申請した上でレクチャーを受け、認定証を首から下げなければ立ち入ることはできない。これは2006年からのシステムとのことで筆者も初めてのコースである。一周約10km、5時間を要する散策路で、今回は反時計回りに歩いた。
ブナやミズナラなどの自然林の中を下って行く。入山許可される登山者は一日30名のみに制限されており、とても静かで気持ち良い。沢は驚くほど澄明でアマゴが生息している。また、倒木や岩に生えた苔類が瑞々しい。ヘンテコなキノコ類まで美しく見える。途中、展望台にて昼食休憩とし、13時に大台ケ原駐車場に戻った。休憩時間を含めちょうど五時間の周回である。ビジターセンターでアンケートに答えピンバッチを貰う。
その後タクシーにて奥吉野の杉の湯に立寄り入浴し、大和上市駅へ。駅前の冴えない食堂で打ち上げをし、近鉄特急で京都へ。橿原神宮で乗り換えた特急にはグループ個室の設備があり、ここで二次会をし京都駅で解散したのだった。
本コースのお奨め度=5
大杉谷を日出ヶ岳まで登るには、一定の体力が必要で慎重な行動も求められる。日本一降水量の多い地域であり、そのお陰で深い見事な谷が刻まれているのだが、岩は濡れてスリップしやすい。また崩落にも注意が必要だ。また西大台は立ち入るための手続きや事前レクチャーなど面倒ではあるが(今回は我がパーティのM隊長がすべて代行してくれた・・多謝)、素晴らしい自然体験ができる。お奨めである。














