低山徘徊の記録



M2017 updated 2017-12-23

三連休の前半二日を車中泊にて奥伊勢の低山二つに登る計画を立てた。初日は紀伊長島の近く、紀勢町の姫越山だ。

山名の由来は曰く「戦乱の昔、落ち延びてきた姫君と侍従の老武士が峠にさしかかり、動けなくなった姫君の為、水を汲みに行った老武士が戻ってみると姫君は息絶えていた。もはやこれまでと老武士も後を追った」。さらに埋蔵金伝説もあるらしい。

 540雨の高槻を出発、近くのマクドナルドで朝食を摂り新名神から伊勢道、紀勢道路を走り大紀町の日の出公園駐車場には905着。期待通り雨は上がっている。ここは墓地の駐車場も兼ねており、目の前が墓場だ。今夜ここで車中泊をするのは怖いなぁと思いつつ915出発。

 川沿いに行き橋を渡ると尾根の末端に階段がついている。津波避難所への看板があり、登ると標高30mの所に20畳ほどの立派な小屋がある(この地区は昭和19年の東南海地震の津波で大きな被害が出たと言う)。小屋の裏側から尾根をどんどん登る。汗が噴き出すが、湿度高く汗はだらだら流れる。低山ではあるが、海抜ゼロから登るため、案外大変だ。途中、爺塚・姫塚を通り1057姫越山着、眼下に芦浜と熊野灘を望むことができる。高速道路のPAで仕入れたカレーパンを補給し1112出発、芦浜へ向かう。

 尾根を辿るルートはウバメガシの中を行く。山を歩いていて足下から波の音が聞こえるのは珍しい体験である。急坂でドンドン高度を下げる。朝までの雨で地面が濡れているので慎重に下る。1220芦浜峠に降り立つ。海跡湖*1のある芦浜*2には1234到着、ラーメン休憩とした。

 帰路は芦浜峠まで登り返し山腹の水平道を等高線に沿って歩く。整備された道を一時間ほど歩き、錦の集落へ降り、駐車場には15時に帰着。その後コンビニで食料調達してから阿曽温泉(500円)で汗を流した。翌日の山はこの近くで、登山口駐車場には1630着…車中泊である。クルマの荷室で寝転んでビールを飲みながら山行記録を作成。

*1)海跡湖とは…海湾の一部に砂嘴 (さし) や砂州が発達し、外海から分離されてできた潟湖 (せきこ) 。サロマ湖・浜名湖など。

*2)中部電力芦浜原子力発電所
芦浜には原発の建設計画があったが地元住民の反対闘争により白紙撤回された歴史がある。筆者は人っ子ひとりいない芦浜に座り込み、建造されたかもしれない原発の姿を想像しながら地元民の勝利を心の中で祝った。なお、この地は今も中部電力の私有地で「許可なく立ち入り禁止」との意味のない(バカげた)大看板が掲出されている


お奨め度=4
低山だが歩きでがある。細く背の低いウバメガシの林を歩くのが、とても気持ち良い。出会った登山者はゼロで静かな山歩きを楽しめた。


2017-No.41(2017.10.07)
三重県紀勢町
総歩行距離=12.50Km
累積標高差;+957m


日の出公園駐車場を利用(無料、15台ほど)。トイレを併設している。


今回は山頂ラーメンならぬ砂浜ラーメンである。頂き物の札幌味噌ラーメン(糸末らーめん)を食した。気付いたら賞味期限が8月だったものである。麺は極太で茹で時間は10分もかかる。お味は…素晴らしい。麺はしっかりコシがあり、スープは素直な味噌味でとても好感できる。メンマとコーンのレトルト具材が添付されているのも気がきいている。お勧めの一品だ。オプションとして白髪葱、薬味ネギ、ゆで卵を投入。



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