低山徘徊の記録



M2017 updated 2017-12-23

いつもの高校の同級生5名(年齢合計301歳)で南アルプスへ山中3泊、前後泊を加え5泊6日の大遠征をしてきた。毎日8〜10時間以上歩き3000m峰を幾つも超えると言うハードな山行である。

8/11 金曜日
 朝6時にタクシーを呼び高槻駅へ。予定よりも早く京都駅に着いたので弁当(昼用)、こたべ(おやつ)など買い物をして718発のぞみに乗車。隣席が空いていたので重いリュックを網棚に乗せる必要が無くてラッキー。名古屋でこだまに乗り換え、静岡駅には919着、バス停にて同行メンバーと合流する。
 畑薙第一ダム行きのバスは時刻通り950発車、なんとガイドが同乗している。その説明によると、この登山バスは特注の車体だそうで、沿道で写真を撮るバスマニアが多い(バスマニアなる言葉を初めて知った)。途中二回のトイレ休憩を挟み、1315臨時駐車場着、終点には1325に到着した。実に3時間半のバス旅である。バス停の待合所で昼食(京都駅で購入した駅弁)。観光協会のバスを待ち、1400白樺荘着(一泊二食で6990円とリーズナブル)。入室して即宴会し、その後入浴。お湯がヌルヌルし、なかなか気持ち良い風呂である。夕食後に再度入浴し、早めに就寝。

8/12土曜日
 6時に朝食をとり640観光協会バスで聖沢登山口へ。小型バスは満席でリュックは膝の上だ。未舗装の道を延々と走り815登山口着、ここまでで既に疲労感がある。
 ゆっくり支度をして出発、いきなりの登りで息が上がる。今回は荷物が多く、リュック重量は17kgほどもある。924吊り橋を渡って休憩。ここから本格的な急登が始まる。短いジグザグで高度を上げるが、樹林の中で高度感はない。休憩をとりながら「乗越」にて昼食休憩。宿で作ってくれたおにぎり弁当を食べる。その後は斜度が緩むが歩く距離は長い。重い荷物で、だんだん足も重くなってくる。歩速も遅くなる。前後を歩く他のグループと抜きつ抜けれつしながら登る。1445聖平小屋に到着。小屋名物のウェルカムフルーツポンチがこの上なく美味しく、甘さが体に沁み渡る。
 着替えをしビールで乾杯。コンビーフ&キャベツ炒めなどのつまみが旨い。ビールを飲んでいると雨が降り出し、屋内に避難。宴会を続け、540から夕食をとる。就寝ははば50cm程のスペースに、用意されている寝袋を広げて1930就寝。

8/13 日曜日
 4時前に起床、430から朝食をとり530出発する。聖平の草原を過ぎると早速の登りが始まる。短い登りと平坦地の繰り返しを1時間ほどこなし、小休憩。高山植物のお花畑を愛でながら稜線を行くと、聖岳への本格的な登りが始まる。急傾斜をジグザグに登る。山はガスの中で、終点が見えない。ひたすら足下のみに注意し高度を上げる。頭が無になる頃、8時12分に3013mの聖岳山頂に立つ。頂上部は広く、大休憩。どら焼きを補給する。
 聖岳からは小石の多い道をどんどん下る。その後は赤石の岸壁地帯を急降下。あまり下ると、登り返しが心配だがルートは一本なので進むしかない。鞍部で小休憩すると、今度は兎岳への登りである。息を整えながら牛歩で登る。ようやく兎岳を超えると、また一気に高度を下げ、次は子兎岳。同様に下って登り返して中盛丸山に1318到着。これを過ぎて鞍部に下ると、百間洞山の家方面に右折。道標には1kmとあるが、この道が悪く滑りやすいので神経を使う。50分を要して1430小屋に到着。チェックインして、まずはオレンジジュース(400円)で喉を潤す。仕切られた板の間は6人部屋だが交互に足を出さなければ寝られない。
 庭のベンチでラタトゥイユ、キュウリの塩もみを作りビールとワインで宴会。若いお兄さん2名に料理を振る舞ったりして盛り上がる。1730より夕食をとり就寝…なかなか寝つけない。

8/14月曜日
 百間洞山の家を530出発、まずは百間平を目指してガラ場の急斜面をジグザグに登る。朝一番の行動開始直後の急坂で息が上がる。30分程の我慢で起伏の緩やかな百間平に登り着き、一服休憩。目の前に大きな赤石岳が聳えている。登山道が山腹を巻くように斜め右上に延びている。しかし、歩きやすそうに見えたこの道は、実際には大小の岩が積み重なったガラ場で足下に注意しながら。ゆっくりとしか進めない。それを過ぎて道標のある場所で休憩、ここから再びジグザグの急登だ。稜線に出ると遠く富士山が望め歓声が上がる。更に岩場と雪渓の脇を通り、赤石岳避難小屋の前から頂上へ上がる(855)。
 赤石岳からは素晴らしい眺望の稜線を辿り小赤石岳へ。天気良くまさに天空の回廊である。しかしその先は激下りが待っていた。標高差300m程を一気に下る。降りきったカール上部からは平坦なトラバース道となり荒川小屋へ向かう。小屋には1123着、昼食にラーメンを食べる。この先の荒川岳前岳が高く鋭く立ちはだかっている。小屋から徐々に高度を上げ、核心部に取り付くと足場の悪い急登だ。一歩一歩に集中し黙々と登る。今回三座目の3000m峰である前岳には1329到着。ガスが出てきて展望はイマイチ。
 山頂を過ぎ岩場の稜線を進むが、左側が切れ落ちているので慎重に行く。やがて右側のカールを下るようになるが、ここもガラ場で歩きにくい。樹林帯に入っても急な下りが続く。ようやく下りに一段落が着くと今度は山腹のトラバース道だ。時々、目指す高山裏小屋が見えるが中々近づかない。途中の水場で調理用の水を確保し、小屋には1650着。この日は全行程11時間、ヘトヘトである。
 この小屋には管理人はいるが食事の提供は無い。収容12名の小さな小屋で、我々5名が入って11名となり、小屋番によれば今期最高の繁盛とのこと。小屋前のテーブルで夕食(ポトフ、パスタ)を自炊

8月15日 火曜日
 4時過ぎから、暗い中を小屋外で朝食(ラーメン、チャーハン)。530出発するが空模様が怪しい。すぐに雨が降り出し次第に強くなってくる。板屋岳、大日影山を通って進むが途中で雨具を着込む。小さなアップダウンでも疲労が蓄積しているためノロノロとしか歩けない。本日の最高峰小河内岳2802mには904着。この山頂に至るまでには何度も偽ピークに騙されホウホウの体での登頂だ。周囲はガスに覆われ眺望ゼロ、止まっていると体が冷えるので先を急ぐ。
 小河内岳から2時間あまりで三伏小屋に到着、昼食にカレーライスを食べる。食事中、雨は土砂降りで、登って来た学生らしきパーティは寒さに青ざめている。ご飯大盛りのカレーライスを食べて一息ついて12時に出発。鳥倉ゲートまで2時間40分のコースタイムなので、ゲートへ15時にタクシーを呼ぶ。雨が降り続いており、下山路は沢のようになっている。雨水は次第に登山靴の中に浸入し、気持ち悪い。不安定な木橋などもたくさんあり気を抜けない。疲労も最高潮になり無言でひたすら下る。ちょうど14時に林道に降り立つと、バスが発車直前でゲートまででも乗車可能と言う。計画では林道を40分歩くつもりであったが、まさしく 渡りに船、とばかりバスに飛び乗ってゲートへ移動。ゲートとは一般車の入れる最奥の地点で、駐車場とトイレがある。トイレの軒下で雨を凌ぎ、1445タクシーに乗り、伊那市にある「ざんざ亭」へ移動した。
 ざんざ亭と言う宿はジビエ料理を売りにしており、M隊長のお薦めである。まずは入浴、雨に濡れた靴や荷物の手入れをし、鹿肉を中心とした料理を楽しんだ。

8月16日 水曜日
 朝はゆっくりと山道具のパッキングなどして、8時から朝食。10時42分のバスを待つ。高遠でバスを乗り継ぎ伊那北駅へ、さらにタクシーにて「大芝の湯」へ移動し入浴&昼食。今回の大遠征を振り返り打上げとした。その後、タクシーにて飯田線の北殿駅へ。筆者は北殿〜岡谷〜塩尻〜名古屋〜京都〜高槻と乗り継いで2030帰宅。


お奨め度=3
本コースは非常にハードで十分な体力が必要、一般にはお奨めできない。しかし南アルプスの高山を楽しみたい向きにはお奨めだ。


2017-No.32(2017.08.11〜16)
静岡県静岡市
総歩行距離=52.03Km
累積標高差;+5296m
累積標高差;-4626m


今回は公共交通機関を利用。マイカーの場合は畑薙ダム、鳥倉ゲートに駐車場がある。トイレは登山口及び山小屋以外には無い。


印象深かった料理のみ以下にコメントする。それ以外の山小屋料理は下段写真を参照下さい。
★百間洞山の家のトンカツ
夕食のトンカツには驚きで、しかも豚肉は大きく揚げたてである。ソースの他、大根下ろしとポン酢(二種類!)で食べられる。もちろんご飯はお代わり自由でソバも付き、山小屋とは思えない豪華メニュー。ただ食堂は狭く4人掛けのテーブルが四卓しかないため、食事時間は5〜6回に分けられる。

★荒川小屋のラーメン
醤油ラーメンに豊富な具材、すりおろしニンニクが効いており疲れた体にとても美味しい。一杯1000円だが、品質良く決して高くはない。

★三伏小屋のカレーライス
こちらも1000円。恐らくレトルト品だと思われるが、ご飯大盛りで福神漬けとラッキョウ付き。山で食べるには十分な出来であった。この小屋での昼食は予約制とのことで、他のメニューとしては蕎麦とウドンがある。小屋の接客態度がよろしくないのが残念な点であった。

【手作り料理】
Uさんの献立で材料などを隊員が分担して荷揚げした。
キャベツとコンビーフの炒め物
キュウリの塩もみ
ラタトゥイユ
キュウリの塩もみ
ベーコンと野菜の炒め物
ポトフ
塩ラーメン(野菜ブイヨン味、ワカメ入り)
焼き鳥入りのチャーハン
(アルファ米と焼き鳥の缶詰を炒めたもの)


【ざんざ亭の料理】
全ての料理が丁寧で手が込んでおり素材も良く素晴らしかった。
★夕食…鹿肉づくし
鹿ハムの巻き物と野菜の揚げ浸し
鹿肉ベーコンの茶碗蒸し
鹿豚ソーセージと鹿肉テリーヌのフライ
混ぜご飯
鹿肉のステーキ
ラーメン(豚骨ならぬ鹿骨(ろっこつ)ラーメン)
デザート(ピーチシャーベットのスープ風)
★朝食
ご飯、味噌汁(絶品)、豆の納豆
温泉玉子、サラダなど
鹿カレー



【その他の食事】





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