低山徘徊の記録



M2017 updated 2017-12-23

今回は、M隊長の紹介で「西穂高岳山菜ツアー」なるガイドツアーに参加した。初日は新穂高ロープウェイ駅近くで山菜を摘んでから西穂山荘泊。二日目は西穂高岳を登って下山、入浴後松本駅で解散という行程である。参加者はM隊長、筆者、ガイド氏の三名。

【初日】
 高槻駅を524出発、京都発614の始発新幹線に乗車する。車内は満席で、こんなに早くから何の用事があるのだろうと不思議だが、他人のことは言っていられない。名古屋から乗り込んだ特急しなの1号も満席…木曽平沢で多くの人が下車したので調べてみると「木曽漆器祭」なるものが開催されている。50回記念祭とのことで有名なイベントのようだ。隣の汗臭いオヤジもいなくなってヤレヤレ。908松本駅着。

 新宿から特急あずさで駆けつけるM隊長と945合流し、ガイド氏のジムニーに乗り込む。軽のジムニーは軽快に走り1123平湯バス停に到着、昼食休憩とする。そして最初の目的である山菜採りに向う。山中をしばらく歩き回り、雪笹やコゴミ、ニリンソウを袋いっぱいに採集。新穂高ロープウェイしらかば平駅より1445発に乗車、わずか7分ほどで標高2156mの西穂高口駅に至る。ここから西穂山荘まで雪道を歩き、1611小屋にチェックイン。

 我々は自炊泊でガイド氏が要領良く夕食の準備をしてくれる。採集した山菜のおひたし、胡麻和え、鹿肉燻製入り油炒めなど。おひたしは特に美味で、雪笹は甘く臭みは全くない。コゴミは心地よい苦味で少し塩を振って食べると絶品だ。ニリンソウは味噌汁の具として賞味。鹿肉や味噌、お米は全てガイド氏が狩猟や田圃で作ったものとのこと。自然のご馳走に大満足し早めの就寝。

【二日目】
 朝食もガイド氏の調理によるパスタとインスタントスープ。美味しく戴き522出発する。547丸山を過ぎるが、ここから見える独標やピラミッドピークは見上げるほど高く、その岩だらけの姿は恐ろしくてとても登れそうに見えない。ガイド氏はビビっている筆者に対し「一歩一歩しっかり歩いて行けば、自然と着きますよ」と励ましてくれるのだが、あまり戦意がわかない。独標への登りが始まる前にハーネスとヘルメットを装着、そして三名をロープで連結する。上り坂ではガイド氏がトップ、下り坂ではM隊長がトップ、筆者は常に真ん中という陣立てだ。独標には案外簡単に登り着いたが、その下りは神経を使う。次はピラミッドピークだ。必死に登る間に718至る。ここから見る西穂高岳本峰はさらに高く、再び不安がよぎるが、行くしかない。第2峰を過ぎ最後の登りと力を込めて岩にへばりつく。この部分が最難関で、手掛かり足掛かりの少ない岩を何とか登って818登頂。

 頂上からの見晴らしは素晴らしいの一言、北アルプスの山々や八ヶ岳など360度見渡せる。風も弱く絶好のコンディションだ。どら焼きと即効元気(meijiのゼリードリンク)を補給して下山にかかる。登りで手こずった本峰からの下りは本当に危険だが、ガイド氏が上方から確保してくれており少しずつロープが繰り出されて来るので安心感がある。その後も数々のピークの登降を繰り返し、1043西穂山荘に帰り着いた。

 山荘では、名物と言う「西穂ラーメン」を食べたが、ここでもガイド氏がボイルしてくれた雪笹をトッピング。1134西穂山荘を出発し、接続良くロープウェイに乗り1258駐車場に帰着した。

 奥飛騨温泉「薬師の湯」で入浴し、16時前に松本駅着。ガイド氏と別れ、M隊長と二人で駅ビルの蕎麦屋にて簡単に打上げをし帰途についた。


お奨め度=5
厳重な装備と経験者の同行が必須である。特に独標から先は危険箇所も多く、一般にはお奨めできない。気象条件に恵まれれば西穂頂上からの眺望はまさに絶景そのものだ。今回我々を案内してくれたガイド氏は田村茂樹さんと言う方で、京大大学院出身(地質学が専門)とのこと。北アルプスの山の成り立ちや岩の性状など、興味深い話しも聞くことができた。


2017-No.22(2017.06.03-04)
岐阜県高山市
総歩行距離=9.83Km
累積標高差;+1467m


 


クルマの場合、ロープウェイ駐車場を利用。トイレはロープウェイ駅と山荘以外に無し。


今回は登山前に摘んだ山菜を用いて、ガイド氏がすべて自炊してくれた。詳細は本文参照。





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