高槻を550出発、登山口の鈴鹿スカイライン武平トンネル入口には745到着した。この時間で駐車場はほぼ満車、かろうじてクルマを入れることができた。仕度をして751出発する。雨乞岳への道標に従って山に入るが、のっけから道が分かりにくい。テープは所々にあるが明確な道標がないので、やや不安である。ともかく踏み跡を辿って登って行く。交錯していた踏み跡もだんだんと一本に収束し、それは山腹を回り込むように進む。小さなアップダウンを繰り返し、一つの山を過ぎると谷筋に出たり、小ピークを越えたり複雑な地形が続く。

　ところで、登山口から1番、2番、3番と続いていた看板が現れなくなった（山頂は9番）。いつまでたっても4番が出てこない。「道を間違えたか？」*と感じるも、ルートは明瞭で赤テープは続いている。時折「雨乞山へ→」などと樹木に直接マジック書きされていたりするので、そのまま進む。

　美しいブナ林を過ぎるとシャクナゲ地帯に入る。大きく成長した石楠花の木から登山道に花びらが散乱している。見上げても花は良く見えない。最盛期は一週間ほど過ぎている感じだが、落ちた花も美しい。一帯はイワカガミの群落もあり、こちらは可憐な花を咲かせている。山ツツジも満開で、すべての植物がいきいきと生命を伸ばしている様子が気持ち良い。

　952「いっぷく平」を過ぎると急登が始まる。かなりの傾斜を20分ほど我慢すると樹林帯から笹原へ出て東雨乞岳に到着。周囲は遮るものがなく360度の好展望だ。御在所岳、鎌ヶ岳、伊勢湾、四日市の工業地帯が見渡せる。ここから雨乞岳までは12分で、1026到着。山頂部は狭い範囲で笹が苅り払われている。すぐ横には「大峠の沢」と言う名の池がある。この池で雨乞儀礼が行われたことが山名の由来だそうだ（山頂に池があるとは不思議である）。

　山頂横の空地で昼食休憩とするが、次々に登山者が現れては戻って行く。この山の人気が窺われるが落ち着かない感じではある。1125下山開始、トントンと下る。途中、「武平峠への近道20分」との分岐点からこの道に入ると激下りを経て1323鈴鹿スカイラインに降り立った。ここから舗装路を10分上って駐車地に戻ることができた。

追記
家に戻って、GPS軌跡をガイドブック地図に重ね書きしてみた。すると沢谷乗越にてルート間違いをしたことが判明。ガイド説明文にも、ここでは「標識なし」となっているので、気付かずに別の踏み跡に入ってしまったようだ。筆者の歩いた道筋も特に危険な場所はなかったので、こちらも正解としよう。