低山徘徊の記録



M2017 updated 2017-12-23

今回も高校の同級生仲間との山行で、尾瀬に行ってきた。尾瀬沼から燧ケ岳に登り尾瀬ヶ原へ抜け、翌日には尾瀬ヶ原を横断してから至仏山を経由して鳩待峠に下山するという計画である。今年は特に雪が多いと言う尾瀬であったが、燧ケ岳は何とか登頂、しかし三日目の至仏山は天候悪く諦める結果となってしまった。一方、隊長は思いがけない行動に出たのであった。

 【4/29】
528自宅最寄り駅を出発し東京駅へ向かい、636発の上越新幹線Maxたにがわ号に乗車。GW初日とあって駅は早朝から混雑している。車内で朝食弁当を使い上毛高原駅へ。
登山口の大清水まではバスで2時間もかかる(2650円)。20人ほどの客はほとんどが登山者で、途中の戸倉で14名降車、大清水には1010到着した。チェーンスパイクを履き1040歩き出す。一ノ瀬までは雪の林道歩きだが足下がグズグズして歩きにくい。荷物も重くかなり消耗する。一ノ瀬にて昼食(家で作ってもらった弁当)。ここから山道となる。急に雨が降り出し雨具を着るが、すぐに止む。予報通り不安定な雲行きだ。「十二曲り」と言うジグザグ道で稜線に登り詰めると緩やかな尾根歩きとなり、1350三平峠に到着。雪で真っ白な尾瀬沼を見下ろしながら下る。湖畔まで下り水際と思われる雪の上を歩く。沼の向こう側には燧ケ岳が高く姿を現している。1430️長蔵小屋に到着、直後に雪が降り出す。
15時から風呂に入るが、石鹸などは使えず、一人(洗い桶)二杯まで、との指示に従って頭から湯をかぶり湯槽に浸かる。ビール、ワイン赤白など飲み、五時から夕食を待つ。部屋には電気コタツがあり、快適に寝ることができた。

【4/30】
起床後、尾瀬沼の湖畔で燧ケ岳を見上げる。晴天で、一部氷の溶けた水面には「逆さ燧」が美しい。朝食後、日焼け止めクリームを塗りサングラスをかけて雪対策をして7時前に出発。前爪付きの12本アイゼンを装着して歩き出すが、荷物が重い。まずは林の中をダラダラ登るが、靴が沈み込んだりして体力を使う。次第に疎林となり、それも尽きると俎嵓(まないたぐら)が眼前に高い。まずはミノブチ岳に登り、その後は斜面を斜めに登ったり直登したりを繰り返し、ようやく俎嵓(2,346m)に登頂。山頂からの眺望は絶佳ですぐ隣には燧ケ岳最高峰の柴安嵓(しばやすぐら、2,356m)が盛り上がっている。しばし休憩してから鞍部まで下り、柴安嵓を目指す。登山道は先行者の踏み跡、斜度45度あまりの超急斜面だ。アイゼンを雪に蹴込んで足場を安定させながら登って行く。まるでハシゴを攀じ登っているかのような感覚である。短いが緊張した登りをこなして柴安嵓に登頂。山頂からは尾瀬ケ原から至仏山まで一望だ。長蔵小屋で作ってもらった弁当で昼食を摂る。

 下山も急傾斜の道が続く。途中、尻ゼードなどをしながらドンドン下るが、雪の柔らかい場所では股付近まで足が沈み込み気を抜けない。途中でアルパインスノーポンを装着し、ひうち小屋には15時前に到着 。ヘトヘトで、座り込んだら動けないほど疲れてしまった。トホホ…

 小屋に入り、まずは1630からの風呂を待ちながら生ビール、ワイン赤白で乾杯だ。風呂は三人が入れるくらいの檜風呂、ここではお湯の使用制限はないが、石鹸は禁止である。夕食後、1830には床につきバクスイ。

【5/1】
予報通り朝食を待つ間に雨がポツポツ降り出した。630からの朝食後730出発、雨は止んだが筆者はレインウェア(上)を忘れたため山小屋でポンチョを買い求める。しかし小サイズ(120cm…これが何の大きさかは定かでない)しか在庫がなかったので、何と小屋の女将が無料で良いと言うのでありがたく頂戴する。尾瀬ヶ原は一面の積雪でどこでも歩けそうだが、一応 木道に沿ってトレースがつけられているのようなので、それを辿って行く。905牛首を通過し920山の鼻に到着。無雪期の歩行時間とほぼ同タイム(110分)であった。山の鼻小屋にて休憩をとる。筆者は「生ビール」の看板に抗えず、朝925のビールタイムだ。休んでいる間に再び雨が降り出す。本来の計画では、山の鼻から至仏山に登って鳩待峠に下る予定であったが、雨のため断念し直接 鳩待峠へ登ることとした。無料ポンチョを着込んで出発する。鳩待峠〜山の鼻間は何回か歩いたことがあるが、夏道と積雪期のルートとがまるで異なることに驚く。夏道はすっかり雪の下深く埋もれているので当たり前だが、山腹の急斜面をトラバースしたりして気を抜けない。しかし鳩待峠まで70分で登り着き、夏道標準時間の1:20よりも早かった(1118着)。

 鳩待峠の休憩所で濡れた荷物の整理をしながら味噌ラーメンを食べる。我々のM隊長は至仏山に登れなかったことが残念らしく、急遽予定を変更し鳩待峠の山小屋に宿泊、翌日の至仏山登頂を目指すこととなった。残る筆者とN氏はM隊長と別れ、1245発の戸倉行きバスに乗り込んで下山。戸倉バス停前の温泉「尾瀬ぶらり館」で汗を流してから沼田駅まで1️時間半のバス移動。沼田駅前の蕎麦屋にて二人で打ち上げをし、帰路に着いたのだった。高槻には22時帰宅。


積雪期の本コースは経験者帯同でなければ困難であり、かなりの体力が必要。更に雪の状況や気象条件により難易度は大きく変わり、それに応じた装備も必要となるので特別の注意が求められる。今回筆者は二本ストック、チェーンスパイク、12本爪アイゼン、アルパインスノーポンを準備したが、状況によりこれら全てを使い分けた(そのため荷物も重くなる)。


2017-No.17(2017.04.29〜5/1)
福島県檜枝岐村
総歩行距離=27.94Km
累積標高差;+1897/-1554m


 


今回は公共交通機関を利用した。夏場は大清水から一ノ瀬まで、乗合いバス等が運行されている。今回利用した山小屋のトイレは清潔で温水洗浄便座が設備され快適だった。


尾瀬の山小屋では必ず夕食にハンバーグが出るらしい(昨年の東電小屋も同様であった)。



JR高槻駅にて、行き:高槻から上毛高原まで、帰り:沼田から高槻、と購入希望を出したら窓口の駅員氏が時間をかけて入念に調べてくれた結果、高槻←→越後湯沢間の往復切符が割安であるとして発券してくれた。越後湯沢駅は上毛高原の一つ先だが上毛高原にて途中下車扱い、帰りも越後湯沢よりも高崎寄りの沼田から途中乗車、というウルトラテクニックである。ホンマに安いのかよく分からないのだが、駅員氏に感謝。

入場、途中下車記録がややこしい使用済み切符。




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