和歌山県の分県登山ガイドに収載されている「友ヶ島」に興味を惹かれ、山行ならぬ「海行」&ハイキングをしてきた。この島は明治時代に築造された砲台が遺跡として残っており、その姿は「天空の城ラピュタ」を彷彿させることで有名らしい。和歌山市の加太港から連絡船で海を渡って沖の島に上陸、島内をくまなく歩いてきた。
友ヶ島とは紀淡海峡にある四島(神島、地ノ島、沖ノ島、虎島)の総称で、今回は沖ノ島と虎島を歩いたが、両島は浅瀬で繋がっている。満潮時には通過が難しいので、干潮時刻(本日は11時)に合わせて行程を組み立てた。 9時の連絡船1便に乗る予定で6時に高槻を出発、途中でコメダ珈琲店でモーニングを摂り820加太港に到着。駐車場にクルマを入れると臨時便がすぐに出ると言う。慌てて仕度をして825乗船し友ヶ島へ向かう。船はわずか20分で沖ノ島の野奈浦桟橋に到着、上陸する。まずは友ヶ島灯台へ向う。
途中、蛇ヶ池を見てから第二砲台跡を経て友ヶ島灯台に920到着。友ヶ島には数多くの砲台跡が残されている。明治時代に建設され第二次世界大戦まで使用されたもので、紀淡海峡を通過する敵艦を攻撃する目的だったが、一度も使用されなかったとのこと。これらはレンガで作られた立派な施設で、現在も健全な構造物だが植物の繁茂で次第に浸食されつつある。その光景が「ラピュタ」に類似しているとの連想から人気があるらしい。
灯台の裏には日本標準時子午線(東経135度)日本最南端の地がある。その後、コウノ巣山の一等三角点を確認し第三砲台跡に至る。この施設は地下3階構造で、今でも実戦使用できると思われるほどの堅固な構造物だ。用意したヘッドランプで地下トンネルを歩いたり、弾薬庫を覗いたり、地上の造作を見学する。明治時代に離島に、しかも人力で築造した様子は、筆者の想像力を完全に越えている。砲台を作るために使われた膨大な労力が無為になったと思うと空しい。続いて同様の構造を持つ第四砲台跡を見て、虎島へ向う。
沖ノ島と虎島は別の島だが、満潮時には水面下となる浅瀬を渡って歩くことができる。筆者は干潮時間の11時を過ぎた1126に難なく虎島へ上陸する。再び登り坂となり、虎島砲台跡を過ぎ1151「東ノ覗き」に到着。役ノ行者像とツーショット写真を撮り野奈浦桟橋へ戻る。
帰路の船便も予定よりも早い臨時便に乗船することができ、1323加太港に戻ることが出来た。この時間でも友ヶ島へ向う観光客が多くおり、この島の人気ぶりを再認識した次第であった。
お薦め度=5。コウノ巣山の標高はわずか119.9mであるが、アップダウンが多いため疲労が蓄積し、それなりの体力は必要である。道標等は完備されとても歩きやすく、友ヶ島の自然を満喫できる。お奨めである。