M2016_2_No.46


昨日に続き、松阪の山を訪ねた。今回の「伊勢山上」は飯福田寺(いぶたじ)の裏山で行場の山である。恐ろしい岩場が連続するコースだが、それぞれには迂回路が設けられているので「修行の身」ではない筆者は敢えて危ないルートは選ばずに歩いてきた。

 目的地の飯福田寺は松阪市内から小一時間の距離だ。「伊勢山上→」の看板に導かれ、立派な仁王門に910到着、その前が駐車場だ。行場に入るためには、寺で受付けを済まさなければならない。まずは住職からコースの概要と注意点に関するオリエンテーションを受ける。そして入山者リストに住所氏名と連絡先、出発時刻を記入して、入山料500円を支払う。事故は自己責任で…と念を押され930出発する。

 最初は薬師堂にお参りし、安全登山を祈願する。その左側が行場入口だ。普通の山道を5分ほど登ると最初の難関「油こぼし」だ。ここは垂直に見える20mほどの高さの岩壁で、鎖が垂れ下がっている。岩の凸凹を足がかりにして鎖頼りに登る。「油こぼし」の名とは裏腹に岩の表面はザラついており靴底がすべることはない。岩を登り切ると役行者像を見やり岩屋本堂に向うが、そのルートも露岩で、四つん這いになって進む。

 岩屋本堂は浸食された巨岩の中に立てられたお堂で、そこに至る細道には手すりが設置されている。その先の本来のルートは、オーバーハング気味の岩を登るものだが、それは諦めて迂回路を行く。迂回ルートも通常の山道とは異なり、岩まじりの急坂だ。尾根に登り着くと平坦な道に変わり、途端に歩きやすくなる。1001小天上を通過し1017大天井に到着。ここが今回コースの最高点である(標高360m)。

 1028亀岩に着くが、ここからが岩場の連続となり、鞍掛岩、小尻返し、飛石と続く。どの岩も登りよりも下りが危険で、飛石では10mほどの鎖が鉛直にぶら下がっている。筆者はこれらの岩場をことごとく迂回し1053元居ヶ原に到着。この下の広場ではTVロケ隊が撮影をしていた。住職の話しでは、行場の取材で撮影隊が入っているとのことで、正面に見える岩屋本堂を遠望しているのである。

 コースの最後は苔むした150段の石段下りだが、足の踏面が狭く、滑りやすいので神経を使う(スリップしたら一番下まで落ちそうだ)。慎重に下って寺の受付けで下山報告を行い、その時刻を記帳したら修行は終了である。ふと見ると、寺庭に苔玉が陳列されており、一個300円で販売している。格安な値段に驚いて話しを聞くと、住職の奥様が趣味で作っているものだと言う。モミジの植えられた苔鉢を購入し、途中で銭湯に立ち寄って帰宅した。

本コースのおすすめ度=3

住職の説明通り、このコースは登山やハイキングではなく行場である。標高は低いが落差のある岩場は恐ろしい(転落事故死も起きている)。無理せずに迂回路を行くのが安全だ。出会った登山者は2名。なお、徒歩10分くらい離れた場所に「裏行場」がある。こちらは30分ほどで廻れるらしいが、下りの鎖場が難所とのことである。

登山ルート

2016-No.46
三重県松阪市
総歩行距離=3.13Km
累積標高差=250m
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駐車場とトイレ情報

飯福田寺の仁王門前が駐車場になっている(無料、6台ほど)。また周辺の道路にも駐車可能。トイレは寺にあり。

山頂ラーメン

コースは二時間弱で一周できるため、非常食のみを持って入山した。結果、山中にて食事は摂らなかったため、本項にて報告する内容はない。

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飯福田寺で購入(300円)

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