筆者の勤務する事業所では大阪府の「アドプトフォレスト制度」に参画しボランティアで里山保全活動を行っている。今回は他の企業との合同イベントがあり、竹薮伐採及び芥川山城跡ハイク、バームクーヘン作りを行ってきた。芥川山城のあった三好山は標高わずか180mという低山であるが興味深い遺構を見学することができた。
アドプトフォレスト制度とは、大阪府が森林所有者とボランティア企業を結びつけるもので(アドプトとは養子縁組の意味)、筆者の所属する事業所は六年前から高槻市の原城山の一角にある竹林を担当し、年に3回ほど増えすぎた竹を伐採する活動に参加している。他企業も別の竹林で同様の活動をしているが、普段は個別の日程で作業をしている。今回は同じ日に参集し、合同イベントを行うと言う趣向である。
930に摂津峡桜公園に集合、参加企業数社と大阪府、高槻市、森林組合、NPO法人「森のプラットフォーム」の面々とラジオ体操をしてから竹林伐採に向う(総勢140名)。山城跡見学ハイク組(20名)は別行動で、活動拠点の公民館から出発し裏山の三好山登山だ。登山といっても、単に歩くだけなら30分もあれば山頂へ至ることができる。今回は高槻市教育委員会の担当者随行で、歴史や地形の解説を受けながらのハイキングなのでゆっくりと時間をかけて歩く。
(高槻市HPインターネット歴史館より抜粋)
芥川山城跡は三好山にあり、永正年間 (1520頃)に管領細川高国が築城したと伝えられています。芥川を見下ろす天然の要害を利用して主郭と東郭を築いており多くの堀切りや土塁、郭、大手の石垣などが当時の威容をしのばせています。初代城主は能勢頼則で、天文22年(1553)には三好⻑慶(みよし-ながよし)が城主となり、永禄3年(1560)までの約7年間在城しています。三好氏ののち、和田惟政や高山右近らが「芥川城」に入城したとの記録がありま す。最近の発掘調査では、主郭跡などから当時の建物跡や記録と合致する火災の痕跡が発見され、惟政や右近が入城した「芥川城」は、この山城であることが確実になりました。
ハイキング終了後は竹林伐採組と公民館にて合流し、稲刈りの終わった田圃でバームクーヘン作りをした。半切りドラム缶で炭をおこし、その上で伐採した竹にケーキ生地を巻き付けてバームクーヘンを焼くというイベントである。筆者らは菓子会社に勤務している関係で、菓子の試作は得意分野。出来上がった品評会では他社の品質を圧倒し三年連続優勝を果たした。
本コースのおすすめ度=3
単に歩くだけなら登る気にもならないような裏山であるが、その歴史を勉強しながら歩くと味わいは全く異なる。わずか500年ほど前に築城されたという山城は、部分的に土塁や石垣などが残るのみで、その地形から往時の姿を想像するしか無い。500年の歳月で樹々に覆われ、元の山に戻りつつある姿に、自然を前にした人間の無力さを実感する。高レベル放射性廃棄物を10万年管理するという国の方針があまりに荒唐無稽であることを改めて感じざるを得ない。