今回は鈴鹿の竜ヶ岳を目指して登山口まで行ったのだが、その途端に雨が降り出した。そのため「勇気ある撤退」をし、雨の降っていなさそうな山へ「華麗なる転進」を決断、結果として琵琶湖北東部の己高山(こだかみやま)に登ってきた。雨には降られなかったものの、存外に手強い急登でしこたま汗を絞られた。
台風12号が南西諸島から九州を窺っている気象条件であるが、関西にはその影響は及ばないだろうと考え、さらに東の鈴鹿山脈は大丈夫だろうと竜ヶ岳を目指した。登山口である宇賀渓の観光駐車場に655着、駐車料金¥500を支払ってクルマを停めた瞬間に雨が降り出した。しばらく様子を見るも止みそうな気配がない。駐車場係のオッサンからは、降水確率60%なので登山はやめた方が良いとの助言を得る。さて、伊勢湾から離れれば天気が異なるかも知れないと、琵琶湖方面にクルマを走らせる(駐車料金は特別に?返金してもらった)。
関ヶ原辺りでは雨の降った形跡はなく曇っている。この調子なら…と以前から気になっていた木之本の己高山に目標を定めた。この山の麓には己高庵(ここうあん)という温泉旅館があり、そこで登山マップなどを調達し917歩き出した。林道を20分ほど歩いて登山口に到着、尾根コースを行く。
尾根コースに入るといきなりの急登が連続する。呼吸を整えつつゆっくりと登るが、平坦な部分が全く無く、上り一辺倒だ。2合目、3合目との標識を頼りに50分ほど頑張ると「六地蔵」に到着、ようやくの平坦地に安堵し小休憩とした。ここまでで大汗により全身ズブ濡れ状態である。meiji「即攻元気」で一息ついた。
その後も急坂が続くが、登山道が山腹を巻くようになって横懸道に出ると水平道となる。これを進み鶏足寺(けいそくじ)跡に到着。説明看板によると「799年に最澄が再建」とあり、その歴史に驚く。こんな山奥のシンドイ高所にどのように寺を建立したのか? 復元図を見るといくつもの伽藍が建設されておりその規模も非常に大きい。冬には降雪のある地域であることも考えると、どんな生活(修行)をしていたのか想像もつかない。
さて水平道をさらに進むと、最後の登りとなる。ここからの登路が最も傾斜がきつい。呼吸荒くゼェ〜ゼ〜しながら1143山頂に到着した。山頂は樹木が生い茂り、眺望はまったく利かない。単に山名標が立っているだけで、感動のない場所だ。木陰にて昼食休憩とし、南の尾根道で下山する。この尾根が素晴らしい雰囲気であった。ブナの多い自然林で緩やかな下り坂が続く。周囲の景色を楽しみながら1348林道に下山した。この先には石道寺があり、紅葉の名所らしい。現在は緑モミジが繁茂しており、その公園内で一服休憩してから駐車場へ戻った。己高庵で日帰り入浴(¥500)し帰宅。
本コースのおすすめ度=2
己高山は裏山お手軽ハイキングと想像していたが、全く異なって厳しい登り坂が続く923mの山であった。逆コースの方が登りやすいと思われるが、今回登った尾根コースを下るのも大変だろう。晩秋〜初冬、または新緑の時期がお奨めか。出会った登山者はゼロ。