今回は神鍋高原奥にある蘇武岳を目指した。この山は(No.32)扇ノ山に近く、即ち高槻からはやや遠い。日曜日でもあり、帰りの渋滞を避けるべく早朝出発して速攻で登ってきた。天気は良くなく眺望は得られなかったが、全山ブナの美林に覆われ、素晴らしい雰囲気の中 充実した山行となった。
高槻を330出発、神鍋高原の万場スキー場には554到着した。気温は何と19℃!今年の大阪は猛暑が続き、8月の猛暑日が最多の23日を記録したばかりである。暑熱に慣れた身には驚く程の低温だ。クルマを降りると、肌寒いほどの風が吹いている。仕度をして619出発、まずはスキー場のゲレンデを通る道を登って行く。633万場登山口(1合目)に到着、山に入る。
沢沿いに登って行くが、3〜4カ所の徒渉がある。沢はやや増水しているので慎重に渡る。「口の滝」「中の滝」を過ぎると大杉山への分岐だ(2合目)。帰路はここに戻ってくることになるが、上りは「巨樹の谷」コースを行くので「蘇武岳、備前山」方面に進む。すぐに「夫婦カツラ」と名付けられたカツラの巨木二本が立っている。二本は10メートルほど離れて生えており、絶妙な夫婦の距離ではある。その後カツラ親分、栃の巨木などを見物し735名色(なしき)からの登山口に到着、小休憩とした。
この地点から先はブナ林となる。高度が上がると、だんだんとガスに包まれてくる(つまり雲の中に突入した)。白いベールのかかったブナ林の中は幻想的な空間だ。ほとんど物音もせず、静謐に包まれている。816大杉山への分岐を通過。ここから蘇武岳まではピストンとなる。更に高度を上げるとガスが濃くなり、薄暗い尾根を黙々と歩く。道が平坦になると次第に樹木が無くなり、木段を上って蘇武岳頂上に到着(843)。山頂部は草原で、一等三角点の石柱と方位盤が埋設されている。しかし山頂は完全に雲の中で、周囲は何も見えない。立ち止まると寒く感じられるので、すぐに来た道を辿って、大杉山分岐まで戻った。
分岐を左折し大杉山へ向う。このルートは「四ツ山越えコース」と名付けられ、アップダウンの連続だ。それそれの小ピークには一ツ山、二ツ山、三ツ山、四ツ山との山名標があり、その次が大杉山(1007m)である。狭い山頂を通り過ぎ、平坦な場所を探して昼食休憩とした。ここからの下山路は、9合目、8合目…とカウントダウンが進む。途中、奇妙な形態のブナが見られるが、これは「アガリコブナ」と言うそうだ。切株更新などで火焔土器を思わせる形状になったとのことだが、真偽の程は定かでない。尾根をドンドン下り、2合目には1117到着。今朝見送った分岐に戻ったことになる。その後は朝歩いた道を戻り1139駐車場に帰着した。
本コースのおすすめ度=3+1
巨樹の谷コースは名色からの登山口に出るまで、キツイ急坂が続く。四ツ山越えコースも登降の繰り返しで体力が必要だ。山自体は面白みに欠けるが、ブナの林は見事で、その分評価を1点プラスとした。出会った登山者はゼロ。