三重県のガイドブックを漁っていたところ「尼が網代笠をかぶっているような姿」と形容される尼ヶ岳に登る気になった。周辺を調べると南の大洞山との間には林道が通っており、峠に駐車して両山を往復することとした。
この山域は三重県津市に位置し高槻からはやや遠いため4時前に出発、登山起点の倉骨峠には650到着した。3時間弱のロングドライブである。まずは大洞山を目指し7時に歩き始める。
すぐの分岐から「健脚向き」コースをとり尾根筋の急階段を登る。体調良好でグングン登り、三ノ峰、四ノ峰を過ぎ737あっけなく大洞山雄岳に登り着いた。今回最高地点の1013mである。小休憩して、その先の雌岳に向う。山頂には一人のオッサンが大声で電話をかけている。筆者が近づくと「電波が悪くて切れてしまった」と照れくさそうに言い訳?する。この人は三多気から登ってきたそうで、尼ヶ岳まで行くと言って雄岳方面に消えて行った。
当方は桔梗平を目指して大洞山を降りて行くが踏み跡が判然としない。途中から石階段に変わり東海自然歩道に出ることができた。この道は大洞山を巻くように作られており、平坦な石畳道だ。誰が岩を敷き詰めたのか分からないが、かなりの労力を要したと思われる偉大な仕事だ。埋められた岩の上を快調に歩き、915倉骨峠に戻った。
さて次は尼ヶ岳だ。少し歩くと大きく下る。かなりの傾斜で石階段が作られている。下り切ったところが大タワで、「タワ」とは峠のことを指す言葉である。登山道が交差し四つ辻となった峠を直進すると、今度は長い階段登りとなる。呼吸を乱して階段をこなすと山頂直下の急登となる。尼ヶ岳の名は網代笠からの連想とのことだが、網代笠の形はこんなに急勾配だったか?などと思いながら我慢する。天気が良くなってきて、振り返ると登ってきた大洞山がどっしりと見える。山頂部の一角に出るところで、大洞山で会ったオッサンが下山するところにすれ違った。山頂は広く、北方の展望が素晴らしい。昼食休憩をとり、来た道を倉骨峠まで忠実に戻った。
本コースのおすすめ度=3
大洞山、尼ヶ岳ともに通常ルートの登山口からは階段道ばかりとのことで、かなりの負荷を覚悟しなければならない。今回ルートは倉骨峠が起点なので標高を稼いでいる分、少しは楽に登れる。連日の猛暑の中、暑さを恐れていたが風があって案外涼しい山行であった。出会った登山者は一名。