霧島山は山域の総称で、韓国岳(からくにだけ;日本百名山No.98)が最高峰である。ここに登れば遠く韓国まで望めるという意味だそうだが、そんなことはない。標高1200mの「えびの高原」からスタートし、1700mの山頂を目指した。
えびの高原のホテルを805出発。舗装道路を五分ほど歩くと韓国岳登山口だ。アスファルト敷きの遊歩道が続き、すぐに汗が滲んでくる。826一合目(標高1300m)からは木段と石積みの階段状の道を行く。息が切れるがペースを抑えめにゆっくりと登る。841三合目(1410m)、859五合目(1520m)を通過。順調に高度を上げるが、既に汗だくである。
911七合目(1600m)辺りは赤茶けた石ころの道となり920八合目(1640m)に到着。登山道は爆裂火口の縁に沿って行く。柵の向うは垂直に近い崖で、火口底に水が溜まっているのが見える。そこまでの落差は200m以上はありそうだ。火山の噴火で、このように巨大な地形が形成されたとを考えると圧倒的な自然の力に驚くばかりだ。
932韓国岳山頂着、溶岩が層状に冷え固まった場所に登山者が座り込んでいる。山頂はガスの中で風景はよく見えない。噴火活動により入山禁止の新燃岳もガスに隠れている。南西側に大浪池がうっすらと望める程度だ。しばし休憩し、大浪池方面に下山を開始する。山頂から10分ほどは小石の重なった急坂で非常に滑りやすく歩きにくい。慎重に下ると階段道に変わる。この階段は標高1300m付近まで標高差約300mほどを一気に下る長大な段々である。かなりの傾斜なので、階段が無ければ登降するのは相当困難と思われ、これを敷設した人に感謝しながら下る。階段下りに飽きた頃、1032大浪池避難小屋に降り立つ。えびの高原までは小さなアップダウンを繰り返しながら全体としては緩やかに下り、1130下山した。
えびの高原荘にて日帰り入浴して汗を流してから、宿で作ってもらった「登山弁当」で昼食とした。標高1200mのえびの高原は涼しく、大変気持ち良い空気を堪能したのだが…その夜は猛暑の大阪に舞い戻ったのであった。
本コースのおすすめ度=5
今回ルートは標高差500mを一気に登るコースで、特に五合目までの階段、石段、岩ゴロ登りが辛い。しかし六合目付近からは見晴らしも良く、気持ち良く歩くことができる。下山路に使った大浪池までの下降は等高線を直角に横切る文字通りの激下り(これを上りに使う気にはなれない)。出会った登山者数は30名程度。