M2016_2_No.31


先週の屋久島に続いて今回は日本百名山の一番目、利尻富士だ。一週間で「中抜き」百名山踏破という計画である。高校の仲間他の6名で利尻島のホテルに集結したが、前線が北海道西に停滞しており天気は芳しくない。予報では途中から雨は上がるはずだったのだが…… 完全に外れた…

 前日、千歳から利尻空港行きの飛行機は天候不順の影響で、場合により稚内に着陸するとの条件付きフライトとなったが、何とか利尻に到着しメンバーとも無事に合流することができた。

 翌朝、ホテルの送迎バスで5時に出発、沓形登山口には520着、雨である。素晴らしくキレイなトイレの中で雨支度をし、529出発する。登山者カウンターを通過し山道に入る。道には勢い良く雨水が流れており、まるで沢だ。石の上や左右の高い場所など、足を下ろす場所に神経を使いながら623六合目通過。頂上まで4Kmとある。木段の続く場所では連続した滝のように水が流れ落ちている。

 647避難小屋に到着、雨は降り続いており登山には条件が悪過ぎるため、このまま進むか否かを皆で相談する。結果、大方の前進派意見により登山続行。この辺りから藪が登山道の両側からせり出してきて、それをかき分けながら進む。濡れた草木の水をそのまま受け止める形となり、ずぶ濡れだ。その水は次第に登山靴の中に浸入して来る。715七合目、719礼文岩(礼文島が一望できると言う)、800八合目(頂上まで2Km)を通過。歩行速度は順調である。周囲は可憐な花が生き生きと咲き乱れている。842三眺山に到着。周囲は真っ白で何も見えず、視界は20mも利かない状況だ。

 900「背負子投げの難所」なる短い岩場を下り、926「親不知子不知」は数センチの赤茶けた顆粒状の小石が安息角で堆積している場所だ。つまり歩こうとするとグズグズと際限なく崩れる。所々の岩を足掛かりに何とか通過、その後は斜度50度という急斜面をロープ頼りによじ登り1007鴛泊(おしどまり)コースとの分岐点に登り着く。ここからは最後の階段を登り詰め1024登頂。タイムは4時間55分だった。山頂からの眺望はゼロ、すでに登山靴の中もぐしょぐしょで全身ずぶ濡れ状態である。

 立ち止まっていると寒いので、直ぐに鴛泊コースで下山にかかる。1107九合目、1128避難小屋に到着。パンを腹に押し込み昼食とする。その後はスリップに注意しながら長い下りを我慢し1400登山口に下山。甘露泉水という湧き水を口に含み1415キャンプ場駐車場に到着した。ホテルの送迎バスを待ち1430乗車、ホテルでは濡れた道具の後始末をし、温泉にて生き返った。

 今回の利尻富士登山は、視界の利かない雨雲の中を黙々と登降した感じの登山であった。修行である。

本コースのおすすめ度=?不明

今回は全く眺望が得られなかったのでこの山の魅力は報告できない。しかし好天に恵まれれば素晴らしい光景を見ることができるはずである。ルートは今回コースがお勧めと思われる。特に鴛泊コースは距離的に長いのでこれをピストンするのはいただけない。沓形コースには幾つかの危険箇所があるものの、慎重に行けば問題ない。出会った登山者は12名+大パーティ(14名)の計26名。こんな悪天でも登る人は多い。はるばる利尻島まで来たからには簡単に諦めきれない心理は登山者共通である。

登山ルート

2016-No.31
北海道利尻富士町
総歩行距離=13.44Km
累積標高差=+1795m/-2016m
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Map16-31.jpgUpDown16-31.jpg
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駐車場とトイレ情報

沓形登山口、鴛泊登山口ともに駐車場及びトイレあり。山中に携帯トイレブースが数箇所あり、回収ボックスは登山口にある。避難小屋二箇所は本文参照。

山頂ラーメン

雨の中、行動食を随時摂取(オニギリ、パン、ゼリー飲料など)し昼食とした。食事を摂ったという実感は全く無く、エネルギー補給のみ。ホテルでの夕食は筆者向け特別食が用意されており、こちらは大満足。
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上写真は町営ホテル利尻
(左)デフォルト夕食
(右)筆者用夕食
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上写真は町営ホテル利尻の
(左)デフォルト朝食
(右)筆者用朝食
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新千歳空港で食した味噌ラーメン

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