紅葉を見物すべく、かねて狙っていた大台ケ原へ遠征してきた。筆者は20数年前に大台ケ原から大杉谷へ下るコースを二度歩いたことがあるが(これは途中一泊を要する大変な激下りルートだ)、今回は大台ケ原山上漫歩コースである。
高槻を5時に出発、近畿道・南阪奈道を経て橿原から吉野へ、そして国道169号線で山に分け入る。約20Kmもある大台ケ原ドライブウェイをクネクネと登って行き、745大台ケ原駐車場に辿り着くが、ここは既に標高1570mである。早朝だというのに駐車場は半分以上クルマで埋まっている。キャンピングカーで車中泊の人もいるが、多くは山上の宿泊施設に泊まっている客かと思われる。トイレを済ませ753出発、ビジターセンター脇の登山道に入る。入口に「クマ注意」の看板があり、慌てて熊鈴を装着する。
踏みしめられた遊歩道は素晴らしく整備され歩きやすい。30分程で稜線上の日出ヶ岳分岐へ出る。ここを左折して階段を我慢して登ると立派な展望台のある日出ヶ岳山頂だ(830)。展望台からは全周の展望が得られ、熊野灘方面には海が見えるはずだが雲海との区別がつかない。分岐へ戻り稜線を直進する。正木ヶ原付近は立ち枯れた白骨林が続く。説明看板によると昭和30年代の伊勢湾台風で多くの木が倒れ、植生が激変したとある。巨大な神武天皇像が建つ牛石ヶ原を過ぎた所で雨が降り出すも、すぐに止む。大蛇嵓分岐には939着。
今回ルートのハイライトである大蛇嵓(だいじゃぐら)は断崖の上の自然の展望所である。周囲はクサリの柵で囲まれており、転落の危険性は少ないが恐ろしい岩場だ。恐るおそる岩の上に立つと、周囲の山々の紅葉が眼前に広がり、息をのむ。分岐へ戻り周回コースであるシオカラ谷方面へ進む。ここからは谷まで160mの下りである。30分ほどで沢に下り、吊り橋で対岸へ渡る。その後は駐車場まで登り一方で、石階段をせっせと登り1105出発点に戻った。
ラーメン昼食の道具一式を担いで歩いたが、結局食べずに戻ってしまった。駐車場は人が多くて落ち着かないため、ドライブウェイを半分下り、途中の東屋にて昼食休憩としたのだった。
本コースのお奨め度5
山上部までクルマで登れるため軽装のハイキング客が多いが、シオカラ谷を経由する周回は楽しい。手軽に深山にアクセスでき、眺望も良い。コースは整備されているので危険も少なくおすすめだ。出会った登山者多数。
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