天狗堂とは変わった山名である。鈴鹿のほぼ中央部、御池岳の南東に位置するこの山は、滋賀県側からアプローチするため大阪方面からはアクセスしやすい。しかしマイナーな山であることは確かで道標はほとんど整備されておらず、下山時には久しぶりに道迷いの憂き目に遭ってしまった。
高槻を420出発、連休ではあるが早朝の名神高速は空いており600永源寺町君ヶ畑集落に到着。ガイドブックに記された駐車場が見当たらずウロウロしたが、結局路肩駐車とした。仕度をして623歩き出す。まずは集落内の大皇器地租神社(おおきみきじそじんじゃ)を目指す。杉の巨木に囲まれた神社は風格があり、今日の安全登山を祈願する。登山口は神社入口にあるが、道標が地面に置かれている。
神社の裏山を急登すると、集落の配水設備がある。さらに尾根の末端を登らされる。傾斜は急で、靴底を地面に密着できないほどだ(重心を前に傾けるためには踵を浮かせなければならない)。しかし急登は30分ほどで終わり、703主稜線に登り着く。ようやく水平の道となるが、すぐにアップダウンが現れる。稜線は樹木に覆われて眺望が得られないが、時々樹間から天狗堂が頭をのぞかせる。天狗堂への最後の登りも滅法きつく、立ち木に掴まりながら高度を上げて行く。頂上近くには大岩が折重なっており、その間をすり抜けて行くと頂上だ(752着)。50mほど先には展望岩というピークがあり、岩の上からは180度のパノラマが得られ、鈴鹿の主な山々を見渡すことができる。
ラーメンには時間が早いので、どら焼き一個を補給し御池林道へのルートで下山する。こちらも激しく急峻な道で、スリップに注意しながら慎重に下る。赤いテープを頼りに進んで行くが、杉の植林地帯で道を失ってしまった。尾根を進めばルートに戻るだろうと考えて下降するが目印テープは現れず、ルートに復帰できない。仕方ないので未踏の?尾根を下ることにして急斜面を降りて行く。GPSで確認すると方向は正しいので、その点は安心だ。さほどの危険もなく、予測通り御池林道に下山することができた(少し冷や汗ものだった)。
本コースのお奨め度2
今回の登りルートをピストンするのなら、道に迷うことは無い。筆者のとった御池林道への下山路は全くお奨めできない。しかし頂上の展望岩からの長めは秀逸である。出会った登山者はゼロ。
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