前週に引き続き南丹市に出かけた。美山の里の奥からアプローチする京大芦生研究林である。ここには昔のトロッコ道(森林軌道)を探訪するルートがあり、それを歩いてきた。従って今回は「山行」とは呼べず「森林徘徊」である。

 芦生研究林は日本海に注ぐ由良川の最上流部にある。南丹市美山町を過ぎ、狭い県道38号線を遡って行き730駐車場着。併設するトイレは清潔に掃除されており「駐車料金は¥500」との張り紙がある。その指示の通り、ポストに100円玉5個を投入し747出発、橋を渡ると京大研究林入口だ。予め用意した入山届けをポストへ提出し構内に入るとすぐにレールが目に入った。レールは車庫に引き込まれており、その手前に原動機の付いたトロッコと貨物車が連結された状態で放置されている。とても動くようには見えず、レールも赤く錆びついており長く動いていないことは明らかだ。なぜ撤去しないのか不思議に思いながら線路を辿る。

 すぐに由良川にかかる鉄橋を渡る。眼下には清澄な水が速く流れている。軌道はこのまま由良川の左岸を行く。823佐々里峠への分岐(灰野)に到着。この辺りは平地となっており昔は人が住んでいたとの説明看板が立っている。灰野の集落は昭和35年に廃村となったとある。さらに軌道上を歩いて行くと、だんだんと荒れてくる。数メートル以上の長い橋はほとんどが崩落しているので、谷に降りて沢を渡らなければならない。レールは時々複線化されており、トロッコの退避場所であったことが窺える。904ヨモギ谷分岐に至る。ここは広い平坦地で五右衛門風呂と思われる鉄製の瓶が二個転がっている。こんな山奥にかつて暮らした人々がいたことを思うと、その生活ぶりを知りたくなる。

 さらに進み932フタゴ谷分岐を過ぎた所で「立入り禁止」の札が落ち葉に埋もれている。前方を偵察すると踏み跡が途切れ、軌道も谷に落ちているようなので、ここが終点と判断。出発点から1時間45分の軌道探訪であった。復路は往路をそのまま引き返す。途中、灰野にてラーメン昼食とし1200駐車場に帰着。

 帰途、美山の里にある「河鹿荘」という宿泊施設で日帰り温泉に立ち寄る。入浴料金は¥500であるがモンベルの会員証提示で¥400となる(ラッキー!)。露天風呂もある立派な施設でお得感が高い。ここにはキャンプ場などもある「自然文化村」の一部である。園部ICより京都縦貫道を経由し1530帰宅した。

本コースのお奨め度3

トロッコを歩くという行為はハイキングの一分野として隠れ愛好者がいる世界だ。筆者は屋久島の森林軌道や武田尾の廃線跡、西沢渓谷の軌道跡を歩いたことがあるが、「よくもこんな山奥で軌道敷設をしたものだ」との驚きの感慨を覚える。工事をした人々の苦労や、林業が盛んだった時代などを想像するのが楽しい。しかし歩行そのものは単調で次第に飽きてくるのが一番の問題ではある。出会った登山者は一組2名。


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2015-No.29
京都府南丹市
歩行距離=10.25Km
累積標高差=98m
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駐車場は芦生研究林手前にあり(芦生山の家が経営)。駐車場内にトイレあるもペーパーはない。
なお、駐車料金はポストへ¥500投入する方式である。

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前回同様、くじゅう連山への遠征時に購入したラーメンを試した。商品名は不詳で、パッケージには「まずは一杯」(博多ラーメン とんこつ)と記載されている。「博多ラーメン専門店 那の福」ともあるが筆者には初耳だ。作り方の表記もいい加減で「お好みで茹でる」。目安の時間も書かれていない。仕方ないので添付の液体スープを適当量の湯で希釈し、適当に茹でた麺を投入して調製。お味は…予想に反して美味しい。スープは塩味が薄くまろやか、豚骨の臭みイヤ味は全く無く食べやすい。麺の茹で時間はピッタリで、これは筆者の腕のおかげである。高速道路の売店で購入したものだが「当たり」の一品であった。

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