連休を利用して少し遠出をし福井県の荒島岳を登ってきた。当初は前日の18日に登山予定を立てたが、あいにく台風11号が西日本を縦断したため計画を一日延期しての山行となった。荒島岳は標高1523mと高山ではないためハイキング+α程度の気分で出掛けたのだが、かなり手強い山であった。

【7月18日(前泊)】
 台風の影響で急遽予定を変更したため、この日は福井への移動のみである。ゆっくりと仕度をして8時過ぎに高槻を出発すると、国道171号線が渋滞している。ラジオを聞くと何と名神高速が吹田〜京都南間で通行止めとなっているではないか! 押っ取り刀で出発したツケがまわり、渋滞の国道を二時間かけて京滋バイパス久御山ICまで辿り着く。ここからはほぼ順調で福井には14時過ぎに到着、ビジネスホテルにチェックインし翌日に備える。

【7月19日】
 福井駅前から登山口の勝原スキー場までは約40Kmの距離で、クルマでは一時間弱である。勝原スキー場はすでに廃業し、その駐車場が登山者に利用されている。すでに25台ほどが駐車しており、改めて百名山の威力に驚く。730到着し仕度をしてトイレを利用、745出発する。最初は元スキー場のゲレンデに作られた舗装道路で斜面を直線的に登って行く。朝日がジリジリと照りつけ、汗が噴き出してくる。舗装道路が終わると岩ゴロの多い急斜面をジグザグに登る。825元リフト終点に登り着き、小休憩とした。ここまででドボドボの汗だ。

 再び歩き出すと「荒島岳登山口」の標柱があり、樹林に分け入る。前日の雨のせいで登山道は泥でグチャグチャだ。泥濘への沈み込みやスリップに注意して進むが、靴裏に泥が堆積して重たい。しばらく進むと、周囲はブナ林に変化する。樹齢の古そうな木が、その奇怪な幹に大きなコブをつけて屹立している様には異様な迫力がある。登山道は上り一方で、時々木段が現れる。一般に登山道に設置された木段には単に歩きやすくするものと、階段がなければ登れないほどの急斜面に建設されたものの二種類があるが、ここは完全に後者である。つまり階段自体の段差が異様に高く、さらに土が斜面に流出しているため足場が極めて悪い。一歩一歩「ヨイショ」と(心の中で)唸りながら高度を上げて行く。このような木段が多数現れ、体力が次第に消耗してくる。ヘロヘロ状態で1004シャクナゲ平に到着、小休憩をとり水をガブ飲みする。

 シャクナゲ平から荒島岳へは稜線を辿るのだが、かなりの急勾配が断続的に出現する。本ルートで最も危険度が高いという「もちが壁」はクサリ、ロープ、階段が設置されているが、足下が濡れて滑りやすいので慎重に登り始める。すると前方から37名の中高年登山者が降りてくるではないか……。どうやら早朝出発した団体が早くも下山して来るのに、最悪の場所ですれ違ったという訳である。仕方なく道を譲ったり譲られたりして、ややこしいことこの上ない。

 さてようやく頂上に近づいたと思ったら「山頂まで412m」の標識があり、大いに落胆し疲労が頂点に達する。その後も偽ピークに騙され、ようやく1119荒島岳に到着。広い山頂には方位盤、祠などがあり、休憩に適した草原が広がっている。本来は360度の展望が得られるとのことだが、山頂はガスに包まれ全く何も見えない。草原部には多くの登山者がお弁当を使っており、筆者もその一隅に倒れ込むように場所をとり昼食ラーメン休憩としたのであった。

 下山は楽かと思いきや、スリップに注意することに専念せねばならず、神経をすり減らすような時間が続く。1440駐車場に帰り着いた時には体力も気力もクタクタ状態、全身汗まみれ・登山靴は泥だらけというみすぼらしい姿となってしまった(しかし駐車場を見回すと、他の登山者も大同小異の姿ではあった)。

本コースのお奨め度2

夏季はお奨めできない。百名山に選ばれている最大の理由は眺望が良いためと思われるので、天候に恵まれるタイミングを狙って登るべきである。トレーニング、修行が目的であればお奨めだ。出会った登山者は何と100名以上(正確に数えることもできない程だ)。


マーカーにカーソルを合わせクリックすると内容が表示されます。


2015-No.24
福井県大野市
歩行距離=10.02Km
累積標高差=1328m
GoogleEarth15-24.jpg
Map15-24.bmpUpDown15-24.bmp


勝原の無料駐車場には50台ほど収容可で、清潔なトイレを併設している。山中にはトイレ無し。また、トイレ横には水道があり汚れた登山靴を洗うことができる(嬉しい施設だ)。

DSCN8286es.jpgDSCN8289es.jpg
北海道旅行をした人からのお土産に頂戴した「すみれ 味噌ラーメン(生)」を試した。指定通り350ccの湯で麺を茹でて、そこへ別添スープを投入、付属のレトルトメンマ、オプションのゆで卵を入れて食した。お味は…スープが非常に塩辛い。唐辛子も入っているようだが、塩味が強過ぎる。麺は「生」の雰囲気は出ているがかなり硬い(茹で時間不足か)。我慢して塩辛いスープを半分ほど飲んだが、それ以上はムリであった。しかし良く考えると、汗だくでミネラルを放出してしまった体にとっては、塩辛いスープで塩分補給した方が正解だったのかも知れない……

DSCN8285es.jpg
17772