三重県の登山ガイドブックを購入し新たな山域を研究していたが、「鈴鹿セブンマウンテン*」と呼ばれる山の一つ、釈迦ヶ岳を選んだ。理由は大阪からの時間距離が比較的短いこと、駐車場が完備されていること、周回コースがとれることである。さらに伊勢湾の眺望も期待して出掛けてきた。
高槻を530出発、京滋バイパス、新名神、伊勢湾岸道を経由して四日市ICで降りる。菰野町を抜けて山に入ると、帰途に入浴予定の「三休の湯」を過ぎて朝明(あさけ)駐車場には735到着。すでに20台程のクルマが駐車しているが大半は御在所岳方面へのハイカーと思われる。駐車料金500円を支払う際に地図を示され、予定のコースを指でなぞりながら聴取される。それを何やらメモしているので、何やら起こった際の備えであることが分かる(なかなか良い方法だ)。仕度をしていると今度は県の職員がやってきて山の防災対策工事に関するアンケートに協力して、と言う。治山工事をどう思うか? 防災対策として有効なものは何か? などなど… 答えるのは面倒だが休日に仕事をしている職員の心情も慮って素直に回答する(協力謝礼としてウエットティッシュと塩飴3粒貰う)。
駐車場併設のトイレを使って750出発、バス停横の登山口から山に入る。小さな尾根を超えて裏側のキャンプ場に降り、飛び石で沢を徒渉し中尾根登山口に至る。この沢(庵座谷)には滝が多く、釈迦ヶ岳へは沢を詰めるルートが一般的なようだ。しかしヒルも多いとのことなので今回は尾根ルートを選択。急坂をわずかに登り812尾根に出る。コース上には要所に立派な道標が設置されており安心だ。
尾根は痩せた箇所が多く、またかなりの急登が断続的に続く。痩せ尾根は岩や樹木に掴まりながら高い段差を攀じ登る感じだ。848鳴滝コバという所で小休憩、その後も急斜面が続く。岩場の迂回路を過ぎ、958キレットに着いた。ここは左側が崩落して切れ落ちた地形で見た目には恐ろしいが通過してみると何と言うことは無い。最後の急坂をこなし1097mピークに飛び出した(1008)。ここは釈迦ヶ岳山頂部の一角であるが三角点は少し離れた場所にある(1092m)。既に汗だくバテバテなので小休憩をとってから三角点まで足を伸ばす。周囲は常にガスに覆われほとんど眺望は得られない。時々流れるガスの合間に付近の様子が分かる程度である。
ここからは三重県と滋賀県の県境尾根を辿るのだが、うってかわって歩きやすい道となる。小さな登降の後、1103猫岳に到着、ラーメン休憩とした。その後、20名のおばちゃん軍団とすれ違い、羽鳥峰(ハト峰)へ下る。ハト峰は花崗岩の風化した白いザレのピークで、アルプスのような雰囲気が漂う気持ち良い場所だ。ハト峰峠を最後に尾根から分かれ猫谷コースへ降りて行く。沢をドンドン下り1324林道に下山、BBQガーデンなどを横目で見ながら1355駐車場に舞い戻った。
帰途、予定通り「三休の湯」に立ち寄った(入浴料¥600)。風呂は広く掛け流しの湯である(温泉ではなく加熱泉とのこと)。気持ち良く汗を流したが、帰宅した高槻の気温は35℃で、再び大汗を流したのであった。
*鈴鹿セブンマウンテン;藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、雨乞岳、御在所岳、鎌ヶ岳、入道ヶ岳
本コースのお奨め度3
標高は高くないが、上りは侮れない急登が続く。焦らずゆっくりと登ったが、それでもコースタイムを上回る結果ではあった。危険度は小さく、変化に富む地形を楽しむことができる。夏季ではなく秋〜初冬がお奨めか。出会った登山者は35名以上。
マーカーにカーソルを合わせクリックすると内容が表示されます。