昨日に続いて雪の無い低山を歩いた。今回は大阪府能勢町と兵庫県猪名川町の県境に位置する三草山である。麓には日本棚田百選の一つである「長谷の棚田」があり、典型的な里山である。
自宅を出発すると間もなく雨が降り出した。間欠ワイパーでは間に合わないほどの降りとなったが、筆者の主義はともかく登山口まで行って様子を見るというものである。北摂の山中をクネクネと走り、駐車地の慈眼寺には720到着。幸い雨は上がっているので仕度をして733出発する。登山路が良く分からないので適当に歩くと農作業のオッサンがいたので道を尋ねると親切に教えてくれる。30分ほど急な農道を上がって行くと登山口に着いた。この山の一角は「ゼフィルスの森※」として保護されている。
枯れた沢筋を登って行くとバイク阻止のバリケードがあり、そこからがゼフィルスの森だ。もちろん、この時期に蝶が飛ぶはずもなく黙々と歩く。時折、鹿のなく声と駆け回る足音が聞こえる。雑木林の自然林が気持ち良い。足下は粘土質で歩きにくいが要所には木段が設置されている。少し長い階段を上がると頂上だった(820)。
頂上部はかなり広く100人は休めそうなほどである。「三草山」なる山名票は見当たらず、「敏馬山」という手作りの看板があるのみだ。その他には展望を解説した写真が設置されている。少し風があり寒いので、長谷の棚田方面へ下山にかかる。長い階段を20分程どんどん下ると林道に出合う。ここは才ノ神峠で三叉路となっているが、道標に従って進むと「長谷の棚田」上部に出る農道だった。
棚田はなるほど規模の大きなもので、壮観である。大型重機のない時代にコツコツと石を積み上げて棚田をこしらえた先人の努力は素晴らしい。是非、水の入った田圃を見てみたいと思う。舗装路をテクテク歩き915慈眼寺に帰着、二時間弱の楽しい里山歩きだった。出会った登山者はゼロ。
※三草山ゼフィルスの森(解説看板より)
三草山の地質は「赤土」質で粘土質で表土の深い地層である。この地層に植生する「ナラガシワ」などに「ゼフィルス」(ミドリシジミ類の蝶)が卵を産み成長するのである。
左写真はミドリシジミ。
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