2013年8月23日〜25日 北八ヶ岳
東天狗岳(2640m)
高校の同級生♂4名、♀3名で二泊三日計画により八ヶ岳(赤岳)をめざした。が、天気悪く二日目から予定変更し北八ヶ岳に向かい東天狗岳、茶臼山を登ってきた。
【初日】
最寄りのBSから618発の始発バスに乗車、京都・名古屋・塩尻・小淵沢経由で小海駅1228着。筆者以外のメンバーはすでに集合しており、すぐにタクシーで本沢入口に向かう。1305タクシーが入れる林道最奥から歩き出す。十分にクルマの通れる広い道幅の林道を奥へ奥へ歩く。かなり傾斜のキツイところもあり、汗がにじむ。1339ゲート通過。ここまで4WD車なら入れるらしいが、実際はかなりキビシイ感じだ。林道はこの先も続き、本沢温泉まで小型の荷物運搬車が荷揚げをしている。じわじわと高度を上げてゆくと遠雷が聞こえ雨が降り出した。それに脅かされるように歩行速度も上がり、ほとんど競歩のようなスピードで飛ばし1433本沢温泉着。汗だくとなったが、少し休むと肌寒い。寒暖計は18℃を示している。さすがに標高2150mである。
個室に落ち着き、早速掛け流しの温泉に入る。最近は猛暑続きだったので「風呂で体を温める」という体感をしばらく忘れていたが、まさに気持ちよく温まる。この本沢温泉は山小屋ではあるが、要所は清潔に管理されており快適である。風呂上がりのビールは談話室で乾杯し夕食を待つ。
泊まり客は20人弱で、食堂は満席の半分くらいだ。卓上コンロで加熱する鍋もあり上等な夕食だった。雨は降り続いていたが、日本最高所露天風呂に行ってみた。ヘッドライトを頼りに小屋から10分ほど山道を登って辿り着いた場所には風呂らしきものが見当たらない。木の台に乗ってみまわすが、闇と雨のせいで良く見えない。変だなと、ふと足下を見ると立っていた木の台が露天風呂のフタなのであった。脱衣所も何もないので、脱ぎ捨てた衣類を傘の下に押し込みフタを外すのももどかしく飛び込む。湯加減はちょうど良く、オツな気分である。湯の底は砂利で正に天然の野天風呂だ。雨の闇夜に来る客は他になく、我々だけで秘湯を存分に楽しんだのであった。
【二日目】
目覚めると雨音が高い。かなり本格的に降っているので、当初予定であった本沢温泉〜夏沢峠〜横岳〜赤岳のコースは断念し、東天狗岳から北八ヶ岳へ転進することとした。朝食後、小屋で作ってもらった弁当を携えて620出発。出発時にはやや小降りとなっていたのでスパッツ・ザックカバーのみ装着する。薄暗い樹林帯をゆっくりと登って行く。上空ではゴウゴウと梢をならして風が吹いている。高度が上がり尾根に出る直前に下山者とすれ違ったが「稜線は風が強くて大変だった」と聞き当方も身構える。稜線に出る手前でレインジャケットを着込み、いざ尾根に這い出ると突風にさらされた。大変な強風で、うっかりすると体がふらついてしまう。ザックカバーやレインジャケットは風をはらんでバタタタと音をたてる。低温のせいかしきりに鼻水が出るのだが、それも風で吹き飛んで行く。筆者の持つステッキには長さ調節用の穴が開いており、そこから風が入り込みピューピューと笛のような音をたてる。風は小雨も叩きつけてくるので、とても寒い。足下に厳重注意しながら稜線を北へ登り904東天狗岳着。相変わらず風が強く長居できないので記念撮影のみで先を急ぐ。大きな岩がゴロゴロ立ち塞がる登山道をえっちらこっちら進むが速度が出ない。それでもゆっくり慎重に歩き1118黒百合ヒュッテ着。小屋でキノコ汁(¥500)を注文し、持参の弁当を食べようやく落ち着いた。
この先のルートを検討し白駒池まで降りることとし、白駒荘に連絡すると幸いにも個室が予約できた。黒百合ヒュッテから中山峠、中山、高見石を経由し1520白駒荘に到着。
小屋前のベンチでビール乾杯してから濡れた衣類を部屋に干し風呂の順番を待つ。この宿の風呂は17時までは女性用、男はその後とのことなので17時過ぎに風呂前で待つ。1720頃に最後の女性客が出たので、我先に風呂に入ると、何と風呂桶の中には湯が水深30cmほどしか残っていない。少しだけ掛け湯して♂四名で風呂桶に浸かると水深は50cmほどまで上昇したので、それで我慢…
夕食は1730開始だったが食事場所には沢山の泊まり客がいる。随分人気のある宿だなぁ、と思ったが理由があった。食事後、宿にてコンサートが企画されており、それを目当ての客が多かったようである。コンサートを聞くには宿泊客も2000円払う必要があり、筆者は早寝したが、他の同行メンバーは聞きに行った。翌日尋ねると大層盛況だったらしい。何年も続く名物イベントとのことである。
【三日目】
雨の朝である。山小屋にしては遅い700からの朝食。その後行動計画を練る。麦草峠を越え茶臼山〜縞枯山〜ロープウェイで下山することに決定し815出発。今日はスパッツ・ザックカバー・レインジャケット上下・傘の完全装備である。苔の美しい樹林を抜けて麦草峠で国道299号線を横断、岩ゴロ道を登って行く。ルートは水溜りの泥道と岩ゴロとの連続攻撃で気が抜けない。かなりの斜度を登ったと思ったら、更にキツイ傾斜をしばらく我慢し1042茶臼山着。林に囲まれた地味な山頂である。不明瞭なピークを過ぎ、しばらく下ると縞枯山へのルートと、縞枯山の山腹をトラバースしてロープウェイ山頂駅に出るルートとの分岐だ。霧が濃く眺望は全く期待できないので、トラバースルートを選択。五辻からは整備された木道を黙々と歩き1157ロープウェイ駅に到着。以前はこのロープウェイはピラタスロープウェイと言ったはずだが、今は北八ヶ岳ロープウェイに変わっている。いつから?
山頂駅の気温はなんと13℃である。濡れた衣類を着替え、レストランにてビール乾杯(どうもビールばかり飲んでいる山行記録ではある)しパンを腹に押し込む。
ロープウェイはあっと言う間に標高差400mを降下するが、その間も視界は数メートルで何も見えない。山麓駅からは手配したタクシーで「縄文湯」へ。ここは利用料400円と割安だが食堂にはアルコール類が一切ない!これではダメだと、入浴後、茅野駅に移動し駅ビルの蕎麦屋にて打ち上げを行ったのだった。打ち上げには我々とは別行動で赤岳登頂を果たしたF君も合流し、おおいに盛りあがった。
中央線下り方面に乗る筆者は17時にメンバーと別れ、長い帰路についた(2121高槻駅着)。
本コースのおすすめ度=4
今回は眺望ゼロだったが、晴れていれば素晴らしい景色が眺められる。以前の北八ヶ岳山行記録はこちら。
14510