M2013_No.15


2013年7月27日〜29日 奥大日岳
おくだいにちだけ(2606m)

高校の同級生四人と劔岳をめざして計画された今回の山行だったが、天候悪く劔は諦め奥大日岳に登ってきた。しかし代替コースも大雨に降られ、かなり厳しい山歩きとなった。
なお、筆者は15年ほど前にも劔岳を目指し劔御前小屋まで行ったが、その時も台風の影響で断念せざるを得なかったので二連敗中である。

【初日】
 いつものメンバー三人は東京から飛行機で富山へ、筆者は京都から特急サンダーバードで富山に向かい立山駅で集合。降り始めた雨の中を駅前の喫茶店に駆け込み、昼食をとる。ケーブルカーで美女平に上がりバスで室堂へ行くが、アルペンルートは雲の中で何も見えない。室堂ターミナルで雨具を着込んで出発。室堂は14℃と涼しく、37℃の大阪から比べると、気温に限って言えば天国である。当初予定では剣山荘に泊まるはずだったが天気悪いため「ロッジ立山連峰」に宿を変更した。室堂からは小一時間の距離だが雷が激しくミクリガ池温泉に避難、コーヒーを飲みながら雨宿り(雷宿り)である。雷は上ばかりでなく横からも轟いており恐ろしい。30分程待ってから再出発、石を積み上げた遊歩道は雨に濡れて滑りやすい。1505ロッジ着、温泉に入り一息つく。夕食時にビール、酒を飲み早寝する。ロッジのトタン屋根を叩く雨音が大きい。

【二日目】
 四時前に起床、当初計画では剣山荘経由で劔岳に登る予定だったが雨が強く降っているので、劔行きは諦めて天候回復を待ちながらルート変更を相談する。大日小屋の予約がとれたので、室堂~奥大日岳~大日小屋(泊)、翌日 称名へ降りるコースへ変更決定。早立ち予定だったので小屋で朝食用、昼食用弁当を用意してもらったが、どちらも同じ内容でビックリ(>_<)
 まずは持参のおにぎり二個を食べ、スパッツ・雨具・ザックカバーで完全装備し640出発。キャンプ場内を通って行く。雨のキャンプはさぞ不快だろうなぁ、とご同情申し上げつつ進む。称名川を渡り大日岳方面に向かい少し登ると雪渓となる。用意のアイゼンを装着し雪上の踏み跡を慎重に辿る。雪は固く締まっておりアイゼンがしっかり食い込む。アイスバーン状態になっている部分では、アイゼンがなければ怖くて歩けないだろう。雪渓を上り詰めると尾根に飛び出した。あたりは一面お花畑で可憐な花が咲き誇っている(花の名前は分からない筆者である)。
 アップダウンのきつい尾根道を坦々と進む。山は雲の中で眺望は全く利かない。915奥大日岳着、昼食休憩だ(小屋で用意してもらった弁当一個消費)。雨は止んでいたので雨具を仕舞って先に進む。奥大日岳からの下りは急峻で、鎖や梯子で降りる。1105七福園通過、1130大日小屋着。ここに泊まる予約をしたのだが時間が早過ぎる上、明日も雨予報なので少しでも先に進んだ方が良いとの判断で大日平山荘まで降りることとした。電話すると宿泊OKとのことなので大日小屋泊をキャンセルし、大日岳登頂も中止して下りにかかる。すぐに雨が降り始めたので再び雨具を着る。ルートは岩ゴロゴロの激しい下りで体力はもちろんスリップしないように非常に神経を使う。急坂を下り切るとなだらかな登山道には木道が設置されており一転歩きやすくなる。天気も回復し弥陀ヶ原が見える。1355大日平山荘着。全く期待していなかった風呂があり、石鹸禁止だが汗を流してサッパリできた。
 生ビール800円&缶ビール500円で生き返り、しばし昼寝。夕食後、山荘の裏にある不動滝展望所から遠く不動滝や弥陀ヶ原、称名川を望むことができた。山荘の泊まり客は少なく、最初は六畳一間に四人当てがわれたが、もう一部屋使わせて戴くことができた。山荘ではTVは視聴可能だが携帯電話は通じず、何もすることがないので、本レポートの下書きを作成し早寝。翌日も雨予報である…

【三日目】
 430起床、雨が降っている。530朝食後、山荘の特製バンダナを購入(1200円)。山荘の若い女将に集合写真を撮ってもらったが、「皆さん同級生ですか?」とズバリ指摘された。嬉しくもあり、少し残念でもある…(自分だけは若いつもりの筆者)。
 豪雨の中、630出発。まずは昨日の続きの木道を緩やかに下る。木道はあちこち壊れたり、水没したりしているが概して快適に歩ける。木道が終わると急な下り道だ。危険箇所には梯子やロープが備えられており慎重に下る。急な岩場にはステップが刻んであり少しは安全だ。称名滝を遠望しながらどんどん高度を下げ、いい加減くたびれた頃、傾斜が緩くなり間もなく道路に降り立った。810下山…やれやれ。
 バスの発車まで間があるので、少し上流の称名滝観瀑台まで行ってみた。滝まではかなりの距離があるのに、滝からの水しぶきが猛烈に吹き付けてくる。滝から流れ下る川水もゴウゴウと暴れまくっており恐ろしい光景だ。バス停まで20分ほど歩き845着、立派な休憩所で濡れた衣類一式着替える。930バス発車、945立山駅着。夜のフライトを予約しているメンバー三名と別れ、筆者は一人帰途についた。1004発の電鉄富山行き電車に乗り込み1106富山着。富山駅は北陸新幹線の新駅建設工事中で、臨時通路が入り組んでいる。
 予約していたサンダーバード特急券を1208発に変更し、駅構内の立ち喰いソバを食べて乗車。しかし北陸本線は福井県内大雨のため途中で徐行運転、京都には25分遅れの到着だった。

 今回は最初から最後まで大雨にたたられ、誠に得難い山行となった。いつもながら臨機応変、素早い宿泊変更などM隊長に大感謝である。

本コースのおすすめ度=4

晴れていれば展望の良いコースであろう。大日小屋から大日平〜称名への下りはかなり厳しい。十分な注意が必要である。
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登山ルート

2013-No.15
富山県立山町
累積歩行距離=18.4Km
累積標高差
+948m
-2354m
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アプローチ

立山駅からケーブルカー、バスにて室堂に至る。

駐車場とトイレ情報

クルマ利用の場合は立山駅近くに駐車場あり。トイレは数多いが山中では山小屋以外にはない。利用料100円。

今日のご馳走

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特別装備の準備

ヘルメット、ハーネス、スリング、カラビナを購入。これらは鎖場などでのセルフビレイ用である。またアタックザックとして20リットルの小型のリュックも準備したのだが…