M2012 No.22 畦ヶ丸

低山徘徊の記録です。

M2012 updated 2012-12-23

2012年11月25日 畦ヶ丸
あぜがまる 1293m

今年6月に計画した畦ヶ丸へのリベンジ登山である。6月にチャレンジした際は大型台風4号の通過直後で、西沢にかかる登山道の橋が多数流出し登ることが出来なかった。登山口に到着した時にこの事実を知ったので、急遽行き先を「檜洞丸」に変更したが、ゴーラ沢も荒れており結局途中で引き返すハメに陥ったのだった。今回は事前に登山道の様子を情報収集して問題ないことを確認し、満を持して畦ヶ丸を目指したのだが、思わぬ落とし穴が待っていた。

 畦ヶ丸は筆者のお気に入りの山で学生時代から何度も登っている。西丹沢に位置するこの山は、主稜線上にある檜洞丸(ひのきぼらまる)などとは異なり、昔は訪れる人も少なくひっそり・しっとりとした山歩きが楽しめる山域であった。しかし最近は登山ブームの影響でこんな僻地にも多くの登山者がうろつく状況となったのは残念である。筆者は学生時代に、ヘッドランプを頼りに友人と夜間登山を敢行し、途中の避難小屋で宿泊宴会をした覚えがある。
 今回の参加者は総員三名、メンバーとは新松田駅で集合した。駅前には「丹沢湖マラソン送迎バス」が発着し多くの人を運んでいる。「今日はマラソン大会があるのかな?」と気軽に考えたのだが、後になって大変な影響を被ることになるとはこの時点では思いもしなかった。

 7時過ぎに新松田駅を出発、国道246号線を順調に走り、丹沢湖、中川温泉を経由して登山口である大滝橋近くに路傍駐車した。756出発、道路を少し戻り大滝橋から林道に入る。天気良く紅葉が絶頂期だ。青空を背景とした赤黄色の葉が美しい。林道は次第に狭まり、沢沿いを登る山道となる。丸太橋をいくつか渡るとちょっとしたクサリ場がある。昔はクサリなんか無かったな〜と思いながら濡れた岩場をよじ登る。913一軒屋避難小屋着。30数年前にこの小屋に泊まったことを思い出す。中を覗いてみるとキレイに掃除されており居心地が良さそうだ。小屋の前には沢が流れているので水場に困らないのも良い。
 登山道は沢沿いに進む。途中、やや不明瞭な箇所もあるが慎重にルートを見極めて行く。948尾根に登り着く(大滝峠)。地図上の分岐点は「大滝峠上」であり、ここから10分ほど登らねばならない。1000大滝峠上に到着、小休憩とする。尾根の西側には樹林越しに真っ白な富士山が望める。尾根道をせっせと登り1050畦ヶ丸避難小屋に到着。昼食休憩とする。
畦ヶ丸山頂は避難小屋からわずかに下って登り返した場所にある。1141山頂を発ち下山にかかる。1214「善六のタワ」というキレット状のヤセ尾根を通過。その後はどんどん高度を下げ沢に降りると本棚の滝への分岐である。本棚沢を少し遡ると滝が現れる。量は多くないが水がシャワーのように落下している。引き返して下山路を行くと、今度は下棚の滝(しもんたなのたき)への分岐。この滝は本棚の滝よりも水量多く、滝壺の水が非常に透明できれいだ。何度も丸太橋を渡って西沢を下ってゆく。沢筋がだんだん広くなり、数カ所の堰堤を過ぎると西丹沢自然教室に到着(1404)。クルマをとめた場所まで1440発のバスで戻った。

 帰路、中川温泉に立ち寄ろうとするとクルマが行列を作って駐車場待ちをしている。こんなところで時間をロスするのは無駄だと考え、別の温泉へ行こうと走り出すが、丹沢湖手前で渋滞に入ってしまった。これがとんでもない渋滞で、5分待って10mしか進まない。道路の先で何が起こっているのか分からないので、ひたすらガマンする。ようやく100m程行くと、道路脇にバスを待っている人の列が見えた。どうやら丹沢湖マラソンの関係者らしい。この時点でマラソン終了時間と重なったための渋滞だと気付いたが、相変わらず亀よりも遅い速度である。そのうちメンバーの一人が、友人が丹沢湖マラソンに出場していることを思い出したのだが、偶然にも行列の中からその人を見つけ出した! クルマから降りてしばし歓談するが、その間も渋滞は全く進まない。ひたすらガマンの時間を過ごす。結局、渋滞の大車列は国道246号線の清水橋交差点まで続き、新松田駅に1820着。通常なら一時間のところ、220分もかかってしまった。
 お疲れ山。

今日のご馳走

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おにぎり1個と袋ラーメン「中華三昧」。新規購入の角形クッカーに袋ラーメンを大事に保管して持って行った。角形クッカーは袋ラーメンを折らずに調理できるだけでなく、ザックへの収納がしやすいこともメリットと考えて導入した。さて湯を沸かす準備をしていると、何とガスカートリッジを忘れてきてしまった! 普段は丸いクッカーの内部にカートリッジを入れて持ち運んでいたのだが今回はラーメンを入れた段階で有頂天となってガスを忘れてしまったのだった。良く考えると、丸いガスカートリッジを別にザックに入れなければならなかったのだが、これでは角形クッカーで収納性が増してもカートリッジの収納は相変わらず悪いままだ。さらに水筒やコップなども丸形なので全体としてのパッキング性は向上しないことに今さらながら気付いたのであった……
今回は同行のN氏のコンロを借りて湯を作りラーメンにありつくことができた。やれやれ…
しかし角形クッカーのお陰で四角い袋ラーメンを完璧に茹でることができたのは計画通り(負惜しみ)。
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登山ルート

神奈川県山北町
歩行距離=11.83Km
累積標高差=1111m
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アプローチ

国道246号線の清水橋から丹沢湖方面へ。中川温泉を過ぎ北上すると西丹沢自然教室に至る。新松田駅からはバスで約一時間。
なお、丹沢湖マラソン大会は毎年11月最終日曜日に開催されるらしい。この日の西丹沢山行は避けるべし。

駐車場とトイレ情報

大滝橋バス停先のトンネルを抜けると山側に広い路肩があり駐車可能。
トイレは畦ヶ丸避難小屋、西丹沢自然教室にある。

お薦め度=5

沢沿いの道、尾根歩き、丸太橋、滝見物など変化に富んだ山歩きが楽しめる。途中二箇所の避難小屋(もちろん無料)も利用価値がある。危険度は小さいが、沢筋のルートは分かりにくい所があるので慎重に。